「Amazonに出品するとペナルティを受けることがあるらしい。どういうことだろう?」
「ペナルティを受ける具体的な原因や、回避するための対策を知っておきたい」
Amazonで商品を販売する場合、法律やAmazonが定めたルールにしたがって行動しなければいけません。違反した場合には、規定にしたがってペナルティが課せられます。
しかし法律はともかく「Amazonが定めたルール」は把握しきれていないケースがよくあります。また、ペナルティの具体的な内容についても、きちんと把握したうえで出品者として活動するべきでしょう。
本記事では、出品者がペナルティを受ける原因や対策、種類や実際に受けたときの対処法などについて解説します。
Amazon出品者に適用される3つのペナルティ
Amazon出品者に適用されるペナルティには、全部で3つの段階があります。以下の通りです。
- 出品停止
- アカウント停止
- アカウント削除
最も軽い処置が出品停止で、逆に最も重い処置がアカウント削除です。それぞれどのようなものなのか、具体的に解説します。
商品出品ができない「出品停止」
ペナルティの中で最も軽いものが、出品停止です。出品している特定の商品に関して、一時的に販売できなくなる措置を指します。
出品停止が起きてしまう原因としては、以下の5つが考えられます。
- 商品情報が正確に記載されていない
- Amazonにおける適正価格から離れてしまっている
- ユーザーからのクレームなどによりアカウントのパフォーマンスが悪い
- メイン画像などが規約通りになっていない
- 薬機法などに抵触している
最後の薬機法の問題以外は、Amazon特有のルールに反していることが理由となっています。したがって単に法律を守ればよいわけではなく、規約をきちんと読み込み、遵守する必要があります。
アカウントの機能が一時的に停止される「アカウント停止」
アカウント停止は、出品停止よりも重いペナルティです。特定の商品にとどまらず、全体の機能が一時的に停止されます。
停止措置を受けると、単に出品できなくなるだけでなく、売上の入金もストップしてしまいます。Amazonでは14日ごとに売上が入金される仕組みになっており、これを前提として資金繰りをしている出品者も少なくありません。入金が途絶えてしまうため、場合によっては死活問題に発展します。
あくまでも一時的な措置であるため、適切な対処をすれば復活可能です。しかしこの措置を受けることによってアカウントの評価は確実に低下するため、可能な限り避けるべきであることはいうまでもありません。
最も重いペナルティ「アカウント削除」
アカウント削除は、出品者に対して課せられるペナルティの中で最も重いものです。
「停止」の場合は問題が解消されれば活動を再開できますが「削除」の場合にはやり直しが効きません。それまで積み重ねてきた実績がすべて消滅してしまいます。
FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン。Amazonの専用倉庫)に商品を預けていた場合には、削除措置のあとすべて出品者のもとに返送されます。
ただし、アカウント削除は極めて重い措置であり、前兆もなくいきなり受けることはまずありません。出品停止やアカウント停止の回数が多かったり、事前に受けていた警告を無視したりといった行為の結果、削除の措置が下されるケースがほとんどです。
Amazonでペナルティを受ける5つの原因
Amazonでペナルティを受ける原因としては、主に以下の5つが挙げられます。
- 出品した商品に規約違反がある
- 商品ページがルールに則って作られていない
- 出品者の評価が著しく低い
- 商品価格が適性から大きく外れている
- 薬機法など法律に抵触する商品を出品している
多くの場合、まず上記の行為に抵触することによって出品停止の措置を受けます。出品停止があまりに多く、悪質とみなされるようであれば、アカウントの停止や削除に発展するおそれがあります。
それぞれの内容について、具体的に解説します。
出品した商品に規約違反がある
Amazonはユーザーにとって安全な商品を安定的に供給するべく、出品者に対して規約を守るよう求めています。Amazonで商品を販売する以上は、法律とはまた別のルールとして、特有の規約を守らなければいけません。
具体的には、出品に制限がかかっている商品を許可なく販売した場合に、出品停止などの措置を受けることになります。例えば以下のようなものです。
- 酒類
- 動物
- 医薬部外品および化粧品
- 通貨、硬貨、および現金と同等の品
- 栄養補助食品
- 医薬品
- 武器あるいは武器を模した商品
- アダルト商品
- Amazonデバイス
- 医療機器および関連商品
- タバコおよび関連商品
上記は新品か中古かにかかわらず違反となります。したがって、例えば中古せどりを行っている場合にも、出品制限を免れることはできません。
商品ページがルールに則って作られていない
Amazonの商品ページは、出品者の自由に作成できるわけではありません。守らなければならないルールがいくつか用意されており、1つでも条件を満たしていなければ商品ページは厳密には規約違反となります。
例えば商品のビジュアルを最も強く印象づけるメイン画像については、以下のようなルールが敷かれています。
項目 | ルール |
画像フォーマット | JPEG、GIF、PNG |
サイズ | 最小:500ピクセル 最大:1万ピクセル |
画像全体に占める商品の大きさ | 85%以上 |
画像の一部ではない文字やロゴの使用 | 禁止 |
商品に同梱されていないアクセサリーなどの表示 | 禁止 |
複数の商品や色、サイズが映った画像 | 禁止 |
モデルが写った画像 | 禁止 |
ルールが守られていない商品ページは、出品停止の対象となり得ます。競合他社に通報され発覚するのが典型例です。
出品者の評価が著しく低い
Amazonでは、ユーザー(購入者)が出品者を評価できる仕組みになっています。ユーザーからの評価が著しく低い場合には、何かしら問題があるとみなされてペナルティを受けるおそれがあるため注意しましょう。
ほかにも、出品者の総合評価であるパフォーマンス指標を決める要素としては、以下のようなものが挙げられます。
- 出品者の都合でキャンセルする事例が多い
- 発送遅れによりユーザーからクレームを受けることが多い
- 注文不良率が多い
出品者都合のキャンセルや発送遅れは、出品者としての怠慢とみなされます。注文不良率が多いことは、商品のクオリティに問題があることの表れと解釈されます。
自分の出品者としての評価をチェックしたい場合には、セラーセントラルから確認してみましょう。
商品価格が適性から大きく外れている
日本の法律では、商品の価格は売る側が自由に設定できます。どれだけ価格が高くても、不満であるならば買わなければよいだけですし、安いことで売る側が損をするのも自由だからです。
しかしAmazonでは法律とは別の概念として、ほかのECサイトに出品されている同様の商品の価格から、適正価格を定めています。適正価格から大きく外れた価格設定の商品は、不適格とみなされ出品停止に繋がるおそれがあります。
適正価格から大きく外れるケースとしては、集客のために利益度外視で大幅な安売りをしたり、逆に利益率のために度を超した高額を設定したりといったことが考えられます。Amazonはこれらを不健全な手法と考えているため、避けるようにしましょう。
薬機法など法律に抵触する商品を出品している
法律に抵触した商品を出品した場合にも、ペナルティを受けるおそれがあります。日本の法律にしたがって日本国内で事業を行っているAmazonとしては、ごく当たり前の措置といえるでしょう。
代表的な法律として、薬機法が挙げられます。医薬品の製造または販売などについての決まりを定めて、保健衛生を向上させることを目的とした法律です。薬機法に違反しているケースとしては、主に以下のようなものが考えられます。
- 医薬品などの効果や効能について大げさな表現がある
- 医師が効果を保証していると誤認させるおそれのある表記がある
商品ページ中に上記のような要素が認められた場合、出品停止などの措置を受ける可能性があります。
参考:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
Amazonからのペナルティを回避する5つの方法
Amazonからペナルティを受けることは、ビジネス上の大きな損失です。最も軽い出品停止だけでも、主力の商品が受けた場合には資金繰りにまで大きな影響を受けるおそれがあるため、可能な限り避ける努力をすべきでしょう。
ペナルティを回避する方法としては、主に以下の5つが挙げられます。
- 規約に違反しない商品のみ販売する
- 出品者としての評価を上げる
- 複数のアカウントを作らない
- 注文の不良率を低く抑える
- 出荷の遅延が起きないようにする
順番に見ていきましょう。
規約に違反しない商品のみ販売する
Amazonからペナルティを受けるケースのほとんどは、規約に違反していることに起因しています。出費に制限がかかっている商品を許可なく出品したり、商品ページにおいてルールが守られていなかったりといったことが具体例です。
規約に違反していない正当な商品を、ルールにのっとった商品ページで販売することは、基本であり極めて重要です。
出品したときには規約違反に該当しなかったとしても、後に規約が改定されて違反対象となり得ることに注意してください。常に最新の情報をチェックする必要があります。
また、商品の販売からしばらく何のお咎めもなかったとしても、だからOKであるとは限りません。まだ発覚していないだけに過ぎない可能性もあるため、自分から積極的に商品を規約と照らし合わせる姿勢が求められます。
出品者としての評価を上げる
出品者としての評価が下がると、ペナルティを受けるリスクが高まります。評価が下がる原因としては、出品者の都合で商品の出荷をキャンセルした、といったことが挙げられます。ユーザーからしてみれば契約を反故にされたのと同じであり、クレームや低評価の対象となるのは仕方のないところでしょう。
出品者としての評価を上げるには、常にユーザーを第一に考えて動くしかありません。ユーザーにとってストレスのない行動を取りつづけることで、自然と評価が上がっていき、アカウントを健全化させることが可能となります。
ただし、ユーザーからの評価を上げたいがために、報酬を支払ってよいレビューを書いてもらうといった行為に走らないよう注意してください。Amazonではいわゆるサクラレビューは禁止されており、発覚した場合は逆にペナルティの対象となります。
あくまでも正当な方法でユーザーからのポジティブな評価を得ることを心がけましょう。
複数のアカウントを作らない
複数のアカウントを作って商品を出品する行為は、Amazonの規約によって原則禁止されているため、避けておきましょう。
確かに複数のアカウントを使って商品を出品したほうが、ユーザーの選択肢の中に数多く顔を出せるため、より多く購入してもらえる機会が生まれます。しかしこれを放置しては、Amazon全体の秩序が乱れてしまいます。そのためAmazonは、複数アカウントを作る行為を認めていません。
仮にペナルティを受けなかったとしても、複数アカウントを持った場合、商品管理において欠品やカウントミスなどが発生しやすくなるデメリットがあります。評価が下がってしまうおそれがあるため、いずれにせよ避けておいたほうが賢明でしょう。
注文の不良率を低く抑える
ユーザーのもとに届いた商品が不良品だったり、梱包が乱れていたりといった事象の発生率のことを「注文不良率」と呼びます。注文不良率が高いとペナルティを受けやすくなるため、可能な限り低く抑えなければいけません。
注文不良率は1%未満に抑えるよう努力しましょう。
また、商品自体に問題がなかったとしても、以下のような理由で注文不良とみなされるケースがあり得ます。
- 実際の商品と商品ページの画像などのあいだに違いがある
- ユーザーからの問い合わせに対して誠実に対応できていない
万事においてユーザーを第一に考える姿勢を崩すことなく、ユーザーが望んだ商品をスマートに届けることが肝心です。
出荷の遅延が起きないようにする
Amazonでは、商品がどれくらいの期間でユーザーのもとに届くのかを商品ページに表示する仕組みになっています。到着までの目安はいわばユーザーとの事前の約束であり、目安の期間より遅れた場合は「出荷遅延」として出品者評価を下げる原因となり得ます。
出荷遅延率が4%以上になると、ペナルティの対象になるおそれがあるため注意が必要です。
出荷遅延の主な原因は、在庫切れです。したがって過剰在庫にならない範囲で常に在庫を残しておくよう、気を配る必要があります。
特にセールのときには在庫切れを起こしやすいので注意しましょう。Amazonでは数多くのセールが開催されるため、しっかり把握したうえであらかじめ在庫を確保しておくといった対策が不可欠です。
Amazonからペナルティを受けたときの対処法
Amazonから受けるペナルティには、以下の3種類があります。
- 出品停止
- アカウント停止
- アカウント削除
最も軽い措置が出品停止であり、逆に最も重い措置がアカウント削除です。具体的にどのペナルティを受けたのかによって対処法が異なるため、実際に受けた際には慌てず冷静に行動する必要があるでしょう。
以下では種類別に、具体的にどのような対処を取ればよいのかについて解説します。
出品停止の場合
出品停止のペナルティを受けた場合、出品者に対して以下の2種類のどちらかのメールが届きます。
- 再出品に関して記載されたメール
- 再出品に関しての記載がないメール
再出品に関して記載されたメールが届いた場合、記載された問題点を解消することによって再出品が可能となります。よくあるケースとしては、商品ページの画像やテキストに問題があるなどが挙げられるでしょう。
一方で再出品に関しての記載がないメールが届いた場合には、そもそも出品規約に違反していることが原因であるため、再出品は不可能です。少なくともAmazonではその商品を取り扱えないのだと解釈し、別商品の展開を検討するしかありません。
アカウント停止の場合
アカウントが停止された旨の通知が来た場合、通知の内容にしたがって申立質問書に回答する必要があります。問題が発生した原因や解決のための対策などをしっかり考慮したうえで、パフォーマンス改善計画書を作成し、提出しなければいけません。
パフォーマンス改善計画書の作成は、問題の原因と対策について取りまとめ、書面化する作業です。措置を受けるに至った原因のすべてを明瞭かつ簡潔に説明し、再発防止のためにどのような対策を施すのかを記載します。
注意点としては、感情的にならないことが挙げられます。いくら謝罪の言葉を積み重ねても、効果はありません。大事なのは、明確に原因を理解したうえで効果的な対策を施すことであり、論理的に確かな記述で一連の表現をすることが求められます。
アカウント削除の場合
Amazonの手違いである場合を除き、アカウントがいったん削除されてしまったら、ほとんどの場合復活は望めません。今後もAmazonで継続して販売を行いたい場合には、新たにアカウントを作成する必要があります。
当然ながら新規アカウントは、削除された情報を継承していません。すべての実績は消滅し、最初からやり直しとなります。
また新しくアカウントを作成する際、IPアドレスや住所氏名などが以前削除されたものと同じ場合、同一人物と判断され弾かれてしまうことがあります。したがって「削除されたらまた新しく作ればよい」と安易に考えるべきではありません。少なくとも現在の環境下では二度とAmazonに出品できないおそれもあります。
削除の措置は突然受けるものではありません。事前の積み重ねがあって、最終的な措置として受けることがほとんどです。出品停止など軽めのペナルティを受けた段階で、しっかりと体制を改善し、健全な運用状態を保つよう努力することが大切です。
まとめ:Amazon出品者にはプライスターがおすすめ
Amazon出品者が受けるペナルティについて、具体的に解説しました。
Amazon出品者に課せられるペナルティには3段階あり、最も重いアカウント削除を受けた場合には、すべての積み重ねが無に帰すことになります。軽いペナルティである出品停止などを受けた段階でしっかりと重く捉え、健全な運営を心がける必要があるでしょう。
本記事を参考にして、どのような原因でペナルティを受けるのかをしっかり把握し、最新の注意を払ってビジネスを展開していきましょう。
Amazonでビジネスを行う際には、プライスターの導入がおすすめです。煩雑な作業を簡略化するだけでなく、現状の一元管理がやりやすくなるため、ミスによる出品者評価の下落を下げることにも繋がります。
プライスターを上手く利用して、健全で効率的な運営をしていきましょう。