「Amazonの相乗り出品に興味があるのだけど、ちゃんと稼げるものなのかな?」
「ライバルも多そうなので、少しでも成功率を高める方法を知りたい」
Amazonで商品を売る方法として、新規出品と相乗り出品の2種類があります。相乗り出品とは、既にページが存在する商品に文字通り乗っかる形で、まったく同じ商品を売っていく手法です。
1つの商品ページに複数の出品者が名を連ねるのは、Amazon特有の仕組みです。したがってほかのECサイトにはない独自のノウハウを磨かなくてはいけません。
本記事では、Amazonにおける相乗り出品に関する基本から詳しく解説します。いくつかのメリットやデメリット、具体的なやり方や注意点などにも言及します。
Amazonで相乗り出品する3つのメリット
相乗り出品とは、サイト内に既に商品ページが存在する場合に選ぶ販売方法です。JANコードが異なるなどの特別な理由がない限り、1商品につき1ページというのがAmazonの基本姿勢となります。
メリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 商品ページを作成する必要がない
- ゼロから集客をする必要がない
- Amazon内で商品リサーチできる
以下で順番に解説します。
商品ページを作成する必要がない
現時点でAmazonにページがない商品を販売したいのであれば、まず商品ページを作成することから始めなければいけません。新規出品と呼ばれる方法です。
しかしページを作成するには、それなりの手間がかかります。商品画像を用意したり、商品情報をしっかり羅列したりといった作業をしなければいけません。売れるためのページを作成するにはノウハウが求められるため、初心者が手を出しにくい領域であるといえるでしょう。
相乗り出品であれば、既にページが存在するため、上記のような手間を一切かけず商品を出せます。商品情報設定をするだけですぐに出品でき、扱いもページ作成者と基本的に同等です。
ゼロから集客をする必要がない
自分で作った商品ページに顧客を集めるのは、特に初心者の場合にはかなりハードルが高いといわざるを得ません。ページは内部的にランク付けされており、評価を高めなければ検索結果の上位に表示されず、売れ行きも悪くなります。
しかし相乗り出品の場合は、既に売れているものに便乗する形で商品を出すだけでよいため、集客の手間が一切かかりません。検索上位に表示される商品に便乗すれば、最初から多くのアクセスを集められることになります。
ただし注意点として、売れている商品にはライバルが多いケースがほとんどであることが挙げられます。誰しも考えることは同じだからです。したがって、商品が売れるための工夫をまったくしなくてもよいというわけではありません。
Amazon内で商品リサーチできる
相乗り出品は、既にAmazon内に存在する商品を出す手法です。つまり商品の評価がAmazon内で既になされており、販売価格や売れ行きなどのリサーチをサイト内で完結できるということです。
新規出品の場合、商品が本当に売れるのか、どういうタイミングで売れるのかといったことは出してみるまで分かりません。多かれ少なかれ賭けになります。しかし相乗りの場合は、売れると分かっている商品に便乗するだけであるため、あとは価格の推移や売れる時期などをリサーチするだけでよいことになります。
リサーチに慣れていない初心者にとっては、特にありがたい要素といえるでしょう。リサーチは初心者がつまずきやすい部分であるため、実際に商品が売れるところまでを手っ取り早く経験するには相乗り出品が非常におすすめとなります。
Amazonで相乗り出品する2つのデメリット
相乗り出品には、商品が売れるところまでを簡単に経験できるという大きなメリットがあります。しかし同時にデメリットも存在することに注意が必要です。
デメリットとしては、主に以下の2つが挙げられます。
- 価格競争に巻き込まれやすい
- 商品ページの構成要素を自由に変更できない
順番に見ていきましょう。
価格競争に巻き込まれやすい
相乗り出品は、既に存在する商品ページに便乗する形で自分も商品を出すことです。結果として、1つのページに複数の出品者が存在する状態になります。売れることが分かっている人気商品であるほど、ライバルの数は増えるのは当然といえるでしょう。
ライバルが多いと、どうしても価格競争が起きてしまいます。
同じ商品を出しているライバルが多数いる中で、自分の商品を買ってもらうためには「カートを獲得する」必要があります。カートを獲得するとは、ページのトップに自分の出したものが表示されることです。
カートを獲得する条件にはいろいろなものがありますが、中でも価格が安いことは重要だといわれています。したがって出品者の多い商品ページでは、頻繁に価格競争が発生し、ほとんど利益が取れない状態になってしまうことも少なくありません。
価格競争に巻き込まれやすいことは、大きなデメリットといえるでしょう。
商品ページの構成要素を自由に変更できない
相乗り出品は、既に作成済みの商品ページに便乗して自分の商品を売る方法です。ページを作成するには時間的にも金銭的にもコストがかかるため、自分で作成する必要がないのは特に初心者にとってはありがたい要素です。
しかし商品ページを作る必要がないということは、裏を返せば、ページに不満や不備を見つけても自分の手で変更できないということでもあります。最初にページを作った人物にのみ変更する権限があり、ほかの者は現在の内容にしたがって商品を販売するしかありません。
場合によっては、ページに手を入れられないことはデメリットとなるでしょう。
ただし商品画像については、新たにアップロードすることが可能です。しかし反映されるかはAmazonの基準にもとづいて決定されるため、100%変更される保証はないことに注意してください。
Amazonで相乗り出品する方法
相乗り出品は、Amazonに登録している出品者であれば誰でも可能な行為です。商品に問題がなければ、いつでも同一ページ内に自分の商品を載せられます。
具体的な方法は、それほど難しいものではありません。おおまかな流れは以下の通りです。
- 出品したい商品のページを探す
- 商品を出品する
具体的な手順を以下で解説します。
出品したい商品のページを探す
まずは出品したい商品のページを探すことから始まります。存在しない場合には、自分で作るところから始めなければいけません。商品ページ作成から始めるのは新規出品です。
相乗りを成立させるには、既に誰かが商品ページを作っていることが絶対的な条件となります。
出品したい商品のページが既に存在するか確認するには、以下の手順を踏まえましょう。
- セラーセントラルにログインし、商品登録ボタンをクリックする
- 「商品の出品」下の検索欄で、出品したい商品の名前や製品コードなどをもとに検索する
- 検索結果に同じ商品が出たら、「出品する」をクリックする
商品情報を埋めるページが現れるので、実際に商品を出品する段階に進みます。
商品を出品する
出品したい商品と同一のものを売っているページを見つけたら、商品情報として以下のものを登録していきます。
- 商品管理番号
- コンディション
- 販売価格
- 在庫
- 出荷作業日数
商品管理番号は、出品者が任意で決められる識別コードのことを指します。自分が管理するための番号なので、分かりやすさを重視して設定しましょう。
コンディションとは、新品や中古といった商品状態のことです。販売価格は文字通り自分が販売したい価格のことで、税込で表記します。
在庫の欄には、30日以内に出荷できる在庫の数を入力しましょう。出荷作業日数とは、注文の入った商品を配送業者に届けるまでの期間のことです。最短を目指すのであればFBAを利用しましょう。
Amazonで相乗り出品する際の3つの注意点
相乗り出品はハードルの低い方法です。自分で商品ページを作成する必要もなく、ゼロから集客を行わなくてもユーザーに商品を見てもらえます。
しかし引き換えに、特有の注意点が存在します。具体的には以下の3つが挙げられるでしょう。
- 完全に同一の商品かチェックする
- 商標登録商品やオリジナルブランド商品を避ける
- Amazon自身が出品している商品は避ける
いずれもしっかり考えて対処しなければならないものばかりです。以下の解説を読んで、きちんと把握しておきましょう。
完全に同一の商品かチェックする
相乗りの形で商品を売る際には、ページに記載されているものと完全に同一であるかをしっかりチェックしなければいけません。少しでも違う点があれば別の商品であり、同一のページに載せることは規約違反に当たるからです。
ちょっとした小物など、安くてありふれた商品ほど注意が必要となります。「だいたい似てるから問題ないだろう」という理屈は通りません。どのような商品であれ、記載されているものとまったく同じでなければいけないことに注意してください。
出品する際には、以下の項目が同じであるかをしっかり確認しましょう。
- 色
- サイズ
- 型番
商品の名前だけではなく、JANコードも使って検索するのがおすすめです。
また、商品ページで梱包資材が指定されている場合には、相乗り出品する側も同一の梱包資材を用いる必要があります。ページのどこかに梱包資材の指定がないかについても、欠かさずチェックしましょう。
商標登録商品やオリジナルブランド商品を避ける
相乗り出品をする際には、以下の条件に当てはまるものを避けるようにしましょう。
- 商標登録されている商品
- オリジナルブランド商品
特に商標登録済みの商品に手を出してしまうと、知的財産権の侵害にあたる恐れがあり、最悪の場合は刑事責任を問われることになるかもしれません。
また、一見すると同じ商品に見えても、OEM商品である可能性があります。OEM商品とは、既存の商品に少しだけ改良を加えて販売している独自商品のこと。例えばブランド独自のロゴを追加しているといった変更が代表例です。
たとえロゴが追加されているだけであっても、独自商品であることは確かであるため、同一ページに登録はできません。ロゴやパッケージなども含めて完全に同じでなければ、条件を満たす同一商品とは見なされないことに注意が必要です。
Amazon自身が出品している商品は避ける
多くの商品は、外部の出品者だけでなくAmazon自身も出品者として名を連ねています。販売元が「Amazon」となっている商品ページを見たことはあるでしょうか。これはAmazonが出品者としてカートを獲得している状態を表しています。
Amazon自身が出品者として名を連ねている商品には、相乗りしないほうが賢明といえるでしょう。Amazonは非常に強力なセラーで、価格競争に勝ちカートを獲得できる可能性はほとんどないからです。
もちろん、Amazonが出品しているから邪魔してはいけないルールはありません。もし同価格で販売しても利益が出るのであれば、出品するのも選択肢の1つではあります。また、Amazonの在庫が切れたタイミングを見計らって出品するのも手法のうちではあるでしょう。
しかし基本的には、Amazonとは直接勝負をしないのが基本戦略といえます。
相乗り出品で差別化を図る2つの方法
同一の商品ページに複数の出品者が名を連ねる仕組みは、Amazon特有のものです。ほかの多くのECサイトはショップごとにページを作るのが一般的なのに対し、Amazonでは商品を中心としてユーザーに選ばせる仕組みを採用しています。
相乗りで出品した商品を買ってもらうには、何らかの方法で差別化を図る必要があります。代表的な方法としては、以下の2つが挙げられます。
- 広告やイベントを活用する
- できる範囲で顧客満足度を高める
順番に解説します。
広告やイベントを活用する
ほかの出品者をリードする一番の道は、カートを獲得することです。カートを獲得する条件にはいろいろなものがあり、最も分かりやすいのは価格を下げること。しかしそれとは別に、広告やイベントを利用することも、カートの獲得に繋がる場合があります。
具体的には、スポンサー広告やプライムデー、ブラックフライデーなどのイベントを活用することです。出品者としてのAmazon側からの評価が上がり、あらゆる商品ページにおいてカートを獲得しやすくなります。
Amazonに利益をもたらす行動が多いほど優遇されるのは、ごく自然な流れであるといえるでしょう。
できる範囲で顧客満足度を高める
相乗り出品者ができることは限られていますが、できる範囲で顧客満足度を高めることも、差別化を図る手段の1つとして挙げられます。
商品はほかの出品者と完全に同一であるため、ほかの部分でユーザーフレンドリーな行動をとる必要があるでしょう。具体的には以下のようなことです。
- 商品情報通りの確かな商品を確実に届ける
- 丁寧な梱包を心がける
- スピーディーな配送を心がける
いずれも当たり前のことといえばそれまでですが、当たり前をきちんとこなしつづけることで、高い評価が集まります。ユーザーから高評価を得られれば、出品者としてのAmazon内での評価も上がり、カートの獲得率もアップするでしょう。
自分のオリジナル商品に相乗り出品されたときの3つの対策
ここまでは、自分が相乗り出品をする場合について解説してきました。しかし場合によっては、自分がオリジナル商品を出す側で、ほかの出品者に相乗りされてしまい悩むケースもあるでしょう。
自分独自の商品にほかの出品者が便乗してきた場合、対策としては以下の3つが考えられます。
- 商標権を登録する
- セット販売したり特典を付けたりする
- 商品の価格を下げる
それぞれ解説します。
商標権を登録する
商標権とは、商品あるいはサービスについて用いる商標に与えられる独占排他権のことです。商標権を獲得した場合、効力は同一の商品や指定商品にとどまらず、類似する商品にもおよびます。
Amazonにおいて、商標権を登録している商品に相乗りすることは原則として許可されていません。したがって独占的に売っていきたい場合には、商標権を登録するのがおすすめです。
商標権を登録するのにかかる費用は「3,400円+(区分数×8,600円)」と定められています。
セット販売したり特典を付けたりする
他人にも入手できるものに若干の改良を加えてオリジナル商品として出品する場合、相違点を無視して相乗りされてしまう可能性もゼロではありません。
対策としては、セット販売をしたり特典を付けたりすることが挙げられます。例えば、最初から3個セットで販売したり、別のルートから仕入れた小物を付属品として付けたりといったことです。
特に付属品を付けるのは有効で、ほかの出品者は付属品についてもまったく同じものを入手する必要が出てきます。手間のかかるプロセスであるため、諦めてくれることが期待できます。
商品の価格を下げる
あくまでも最後の手段と考えるべきですが、商品の価格を思い切って下げることも対策としては有効です。高い利益率を見込めなければ、参入する旨みが少なくなるからです。
ただし、商品の価格を下げることは、利益率を下げることである点に注意が必要です。したがって安易にこの選択をするのではなく、まずほかの手段を優先させましょう。
まとめ:Amazonに出品するならプライスターを使うのがおすすめ
Amazonにおける相乗り出品の性質や具体的な方法、注意点などについて解説しました。
相乗り出品の性質を一言で表すならば「簡単に実行できる」となるでしょう。商品ページを作成する必要がなく、既にある程度集客もできており、リサーチもAmazon内部だけで完結させられる。お手軽な物販業であるといえます。
しかし引き換えにライバルが多く価格競争に巻き込まれやすい面があり、着実に利益を上げるためには穴場を狙った適切なリサーチと、目立つための一工夫が必要となります。
Amazonで相乗り出品をしたい方には、専用ツールであるプライスターを使うのがおすすめです。
プライスターの数多くの機能の1つに、価格の自動変更機能があります。6つのパターンの中から方針を設定するだけで、24時間自動的にライバルの動向をチェックし、適切な価格へと変更してくれます。相乗り出品と相性のよい機能といえるでしょう。
プライスターをフル活用して、着実に利益を上げていきましょう。