「AmazonにFBAっていう倉庫があるみたいだけど、どういうサービスなんだろう?」
「便利なら使ってみたいけど、気を付けなきゃいけないことなどを知っておきたいな」
Amazonに出品する際に注目すべき大きな特徴の1つに、FBA(フルフィルメント by Amazon)があります。Amazon特有の大規模な物流サービスです。上手に利用することで、物販業の手間を大きく削減できます。
しかし出品者としてAmazonを利用したばかりの方は、FBAがどのようなものであるか、ピンと来ていないことも多いでしょう。
そこで本記事では、FBAのメリットや注意点などについて、基礎から分かりやすく網羅的に解説します。
FBA(フルフィルメント by Amazon)とは?
FBAとは、商品の保管や注文処理、発送などの業務を代行してくれるAmazonの物流サービスです。具体的には以下のような業務を請け負ってくれます。
- 商品入荷時の検品
- 商品の保管
- 受注業務
- ピッキング
- 商品発送前の検品
- 梱包
- 発送
- 返品などのカスタマー対応業務
出品者が利用できる総合管理ツールである「セラーセントラル」で登録を済ませ、商品を指定されたFBA倉庫に納品することで、上記のことを代行してもらえます。
すべてを自分でやろうとすると、保管のためのスペースや作業のための人員が必要になるところです。FBAを活用することで、業務効率が大幅に向上するでしょう。
参考:フルフィルメント by Amazon(FBA) | [公式] Amazon出品サービスの配送方法
FBAを利用する8つのメリット
FBAを利用するメリットとしては、主に以下の9つが挙げられます。
- 業務の一部を委託し作業を効率化できる
- 商品ページにPrimeマークが付き購入されやすくなる
- Amazon発送による信用が手に入る
- カートを獲得できる可能性がアップするかもしれない
- 海外発送にも対応しているため販路を拡大できる
- FBAマルチチャネルサービスを利用できる
- 商品が検索上位に表示されやすくなる
業務代行による作業効率アップだけでなく、特典的なメリットもあるのがポイントです。以下の解説を読んで、FBAの魅力をしっかり把握しておきましょう。
参考:フルフィルメント by Amazon(FBA) | [公式] Amazon出品サービスの配送方法
業務の一部を委託し作業を効率化できる
FBAの代表的なメリットとして、物販に必要な業務の一部を代行してもらうことで作業を効率化できる点が挙げられます。
FBAは、倉庫とそれに付随する物流サービスの名前です。商品を納品することで、保管から先の業務のほとんどを委託できます。管理や梱包、発送に自分のリソースを使う必要がなくなるため、販促や仕入といった別の業務に注力できるようになるでしょう。
単なる貸し倉庫ではなく、返品やカスタマー対応などのアフターサービス的な作業まで代行してくれるのが大きな特徴です。
商品ページにPrimeマークが付き購入されやすくなる
FBAに保管されている商品には「Primeマーク」が付き、商品が購入されやすくなることが期待できます。
Primeマークとは、Amazonプライム会員にとって便利な配送サービスである「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」を無料で利用できることを示すマークのこと。
ユーザーがAmazonを利用する理由の1つとして、配送のスピード感や利便性が挙げられます。Primeマークが付いている商品はその点、商品を理想に近い形で届けてもらえることを示すものであるため、ユーザーが商品を購入するかを決める指標となり得ます。
ちなみに、Primeマークはマケプレプライムを利用することでも付与できます。
Amazon発送による信用が手に入る
FBAから発送される商品は、発送元がAmazonと記載されます。この記載は、商品がAmazonの管理下で確実に注文通り発送されることを保証するものであり、結果として商品の信用力が高まります。
Amazonには悪質な業者も見られ、発送元について警戒しているユーザーが多いのが現状です。Amazonから発送されるという情報があるだけで、ユーザーに安心して購入してもらえる状態を作り出せます。
また、FBAから発送される商品は送料が無料になる点も、ユーザーに選ばれやすくなる要素といえるでしょう。
カートを獲得できる可能性がアップするかもしれない
FBAを利用することによって、カートを獲得できる可能性がアップするといわれており、これもメリットの1つと数えられるでしょう。
Amazonには、1つの商品につき1つの商品ページというルールがあります。同じ商品の出品者が複数いる場合、同一の商品ページ内に出品者が名を連ね、そのうちの1名が選ばれカートボックスに表示される仕組みになっています。
カートを獲得する条件は非公開となっていますが、FBAを活用することでカートを獲得しやすくなったという声が多く聞かれるのが現状です。内部でFBA利用者を優遇している可能性は高く、FBAを利用する特典のように考えられます。
海外発送にも対応しているため販路を拡大できる
FBAは海外配送プログラムも提供しています。たとえばアメリカのユーザーが日本のAmazonで商品を購入し、自宅まで届けてもらうことができます。
出品者からすれば、海外のユーザーに自分の商品を販売するチャンスです。海外配送の設定を有効にしておくだけで、海外への販売機会を得ることができるため、気軽に越境ECにチャレンジできるのはメリットといえるでしょう。
FBAマルチチャネルサービスを利用できる
FBAマルチチャネルサービスは、ほかのECサイトに出品している商品の管理や発送を代行してくれるサービスのことです。セラーセントラルから指定することで、Amazon内で販売している商品と同じ感覚で利用できます。
たとえば楽天市場やYahoo!ショッピングといったほかの大手ECサイトにショップを持つ際に、FBAから発送することで商品管理の手間を省けます。一元化にも繋がるので、商品を扱いやすくなるでしょう。
参考:Amazon FBAマルチチャネルサービス | Amazon出品サービスの配送方法
商品が検索上位に表示されやすくなる
FBAを利用することで、商品が検索上位に表示されやすくなるといわれています。商品は検索上位に表示されるほど売れやすくなります。
検索のアルゴリズムは非公開であるため、確定的な情報ではありません。しかし多くの出品者が経験から感じていることで、FBAを利用することによる特典の1つとして頭に入れておくべきでしょう。
FBAを利用する4つのデメリット
FBAには多くのメリットがありますが、引き換えにデメリットもまた存在します。たとえば以下のようなものです。
- 各種手数料がかかる
- 商品が手元から離れるため状態を確認できなくなる
- 梱包や発送のノウハウを蓄積できなくなる
- 納品できないカテゴリーの商品がある
FBAを利用する際は、デメリットまでしっかり把握したうえで決断することが大切です。以下の解説をしっかり頭に入れておきましょう。
各種手数料がかかる
FBAは無料ではありません。利用した分だけ手数料が発生します。たとえば以下のようなものです。
- 配送代行手数料
- 在庫保管手数料
- 大量出品手数料
- 返金処理手数料
もちろん、FBAに任せる業務をすべて自分で行った場合にも費用はかかります。したがってFBA利用することで出費が増えるという単純な話ではありません。
自分で商品を管理した場合とどちらがコスト高となるのか、入念にシミュレーションすることが大切です。
参考:料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金
商品が手元から離れるため状態を確認できなくなる
FBAに納品した商品は、物理的には自分の手から完全に離れるため、商品状態の確認ができなくなります。
FBAに納品した商品の状態をどうしても確認したい場合、いったん返送してもらい、状態を確認してから改めてFBAに送り返さなければいけません。手間であるだけでなく、デリケートな商品の場合には破損のリスクもあります。
自分で配送する方法は、直前まで商品の確認ができるという点では柔軟性があるといえるでしょう。
梱包や発送のノウハウを蓄積できなくなる
FBAは、商品の梱包や発送を代行してくれる便利なサービスです。しかし商品納品後の一連の作業をすべて任せられるがゆえに、自分のノウハウを蓄積できません。
後々のことを考えた場合、FBAに任せきりになることでフィードバックを得られなくなることは、デメリットともいえるでしょう。
FBAを利用しつつノウハウも得たい場合には、商品の一部のみを自社発送にするといった手段が考えられます。
納品できないカテゴリーの商品がある
FBAは、Amazonで販売できるすべての商品を納品できるわけではありません。商品状態を保つのが困難であるなどの理由から、FBA出品が禁止されている商品があります。
具体的には以下のようなものです。
- 冷凍や冷蔵が必要なもの
- 動植物
- 爆発物や可燃物
- 医薬品
- 酒類
- 金券やプリペイドカードなど
- ゴールドやプラチナなどの貴金属
- 記念コインや古銭など
上記の商品を取り扱う場合には、自社発送にする必要があります。
FBAへの納品方法
FBAに納品する方法はきちんと確立されており、順番にしたがうだけで簡単に実行できるようになっています。具体的には以下のような手順です。
- セラーセントラルでFBAを初期設定する
- 商品を登録する
- 納品プランを作成する
- ラベルを作成し商品に貼り付ける
- 納品先を確定させる
- Amazonの規定にしたがって梱包する
- 配送業者を選択し商品を発送する
慣れるにつれて効率よく作業できるようになります。まずは以下の解説を把握しておきましょう。
参考:FBA納品マニュアル
セラーセントラルでFBAを初期設定する
まずはセラーセントラルで、FBAの初期設定を行います。
利用開始画面に進み、案内文やリンク先の規約を確認したうえで「フルフィルメント by Amazon規約を確認しました」にチェックを入れましょう。次に「フルフィルメント by Amazonの利用を開始する」をクリックすることで、利用できるようになります。
商品を登録する
FBAの初期設定が終わったら、カタログに商品情報を登録します。
既にAmazon内に商品ページが存在する場合は、相乗りの形式で出品します。現時点で商品ページが存在していないのであれば、自分で商品ページを作成しなければいけません。
商品ページを作るにはノウハウが必要になりますが、商品の訴求が自由にできるため、自分次第で多くのユーザーを獲得することも可能です。
納品プランを作成する
商品の登録を済ませたら、納品プランを作成します。セラーセントラルで納品したい商品を選んでチェックマークを入れ、「必要な梱包準備とラベルの貼付の詳細」をクリックしましょう。
ここからはFBAに商品を送り届けるための、より具体的な作業に入っていきます。
ラベルを作成し商品に貼り付ける
納品プランを作成したら、商品ラベルを印刷して納品したい商品に貼り付けます。
商品のラベルを印刷するときは、セラーセントラルから操作します。手持ちのプリンターなどで印刷し、商品の外箱に貼り付けましょう。
自作の商品ラベルは許可されていません。必ず指定の方法でラベルを作成してください。
納品先を確定させる
FBAの倉庫(フルフィルメントセンター)は日本に複数あります。具体的にどの倉庫に納品することになるかは、実際に納品作業を進める際に確定します。
自分で納品先を指定することはできません。納品先は、Amazonか在庫のバランスなどを考慮し、その時点で最適と考えられる場所になります。同じ商品でも、納品のたびに納品先が変わる可能性があることに注意してください。
Amazonの規定にしたがって梱包する
Amazonの規定にしたがって、商品を梱包します。この段階での梱包とは、FBAに納品するためにダンボールに詰める作業のことであり、ユーザーに送り届ける際の梱包とは関係ありません。
規定通りにダンボールに詰めたら、送り状を作成して貼り付けます。送り状はセラーセントラルからA4普通紙で印刷できます。
配送業者を選択し商品を発送する
商品の梱包が終わったら、配送業者を指定しFBA宛に商品を発送します。配送業者は配送先と異なり自由に選択可能です。都合のよい業者を選びましょう。
商品の発送が終われば、FBAに無事納品されるのを待つのみとなります。FBAに商品が到着次第、納品作業が始まり、作業が終わればセラーセントラルから在庫状況を確認できるようになります。
FBAを利用する際の7つの注意点
FBAを利用する際に注意したいポイントとしては、以下の7つが挙げられます。
- 利用停止にならないようルールを守る
- 商品外箱の状態を確認する
- 箱のサイズと重量が規定通りであるか確認する
- FBAに納品できない商品でないか確認する
- 期限付き商品の細かいルールに注意する
- 配送のルールにしたがう
- 商品ラベルと配送ラベルの貼り付けルールを確認する
どれか1つにでも抵触した場合、トラブルの元となり得ますので、十分な注意が必要です。以下の解説をよく読んでおきましょう。
利用停止にならないようルールを守る
Amazonが定めたルールを無視してFBAに納品した場合には、利用停止措置が下るおそれがあります。
利用停止措置が適用された場合、送った商品が着払いで返送されたり、その出品用アカウントでは二度とFBAを利用できなかったりといったことになりかねません。十分な注意が必要です。
商品外箱の状態を確認する
商品の外箱の状態は、発送する前にしっかりチェックしておきましょう。
Amazonは、商品の外箱が本来あるべき姿であることにこだわっています。外箱がへこんでいたり破損していたりといったことがあった場合、FBAに受領してもらえません。
送った商品が着払いで返送されるだけでなく、同じことが何度も繰り返された場合にはFBAの利用停止措置が下されるおそれもあるため、注意しましょう。
箱のサイズと重量が規定通りであるか確認する
納品の際に用いる配送箱は、サイズについて明確な基準が定められています。具体的には以下のような内容です。
- 小型・標準サイズ:50×60×50cm、30kg以下
- 大型サイズ:3辺合計216cm以内、40kg未満
上記のサイズ部分に収まらない箱に入れて発送した場合、FBAは受領してくれません。着払いで返送されてしまうため注意してください。
FBAに納品できない商品でないか確認する
Amazonで取り扱うことが可能でも、FBAには納品できない商品が存在します。貴金属などが代表例です。
当然ながら、納品が禁止されている商品を送っても、受領はしてもらえません。送り返されてしまうだけでなく、何度も繰り返した場合にはペナルティを課せられるおそれもあります。
具体的な禁止商品は、セラーセントラルのヘルプページで「FBA 禁止商品」と検索することで調べられます。
期限付き商品の細かいルールに注意する
商品の中には期限が付いているものがあります。賞味期限のある食品などが代表例です。
期限付きの商品をFBAに納品する際には、詳細なルールがあるため注意が必要となります。たとえば以下のような内容です。
- 賞味期限は納品単位で揃える
- 商品の納品は先入れ先出しする
商品が繊細であることに関わる大切なルールであるため、きちんと守りましょう。
配送のルールにしたがう
FBAに商品を発送する際のルールも存在します。
たとえば、FBAに商品を納品するときは、Amazonが定めた配送業者に依頼しなければいけません。主な配送業者は以下の通りです。
- ヤマト運輸
- 佐川急便
- 日本郵便
- ゆうパック
- 名鉄運輸
- 西濃運輸
- 福山通運
ほかにも以下のような規則があります。
- コンテナを使用した納品はできない
- チャーター便を使う場合には事前に配送予約をしなければならない
いずれもきちんとしたがう必要があります。
商品ラベルと配送ラベルの貼り付けルールを確認する
商品ラベルとその貼り付け方にも規則があるため、しっかり守らなければいけません。ルール違反があった場合、受領完了までに時間がかかったり、そもそも受領してもらえなかったりといったおそれがあります。
代表的な注意点としては、以下のようなものが挙げられます。
- 天面または側面の平らな面に貼られているか
- 賞味期限などがある商品に期限管理用のラベルがきちんと貼られているか
納品前に必ずチェックしましょう。
FBAの見積もりには料金シミュレーターを利用しよう
FBAは便利なサービスですが、各種手数料がかかることには注意を払わなければいけません。計算を怠った場合、商品が売れたにもかかわらず想定した通りの利益が手元に残らないといった事態に陥ることも考えられます。
しかし具体的な手数料は商品サイズなどによっても異なるため、自力で計算するのは手間がかかるのも事実です。
FBAの各種手数料の見積もりには、FBA料金シミュレーターを利用するのがおすすめです。必要な項目を入力して計算ボタンをクリックするだけで詳細な利益計算が可能であるため、積極的に利用しましょう。
まとめ:Amazonビジネスで成功したければプライスターがおすすめ
Amazonの大きな特徴であるFBAについて、利用するメリットやデメリット、具体的な利用方法などを解説しました。
FBAはAmazon特有の物流サービスです。上手に活用することで、業務の大幅な効率アップが可能となり、仕入や商品開発など本質的な業務にリソースを集中できるようになります。費用はかかりますが、初心者から上級者まで、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。
本記事を参考にして、FBAを使いこなせるよう知識を蓄えておきましょう。
また、FBAをフル活用してAmazonビジネスを成功させたいのであれば、プライスターの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
プライスターは、Amazonの大口出品者のために開発された便利ツールです。商品の出品や価格設定などを簡略化できるだけでなく、FBA納品プランの作成・ラベル印刷・発送準備までを一元管理できるため、セラーセントラルで行うよりも大幅に作業工程を削減できます。
たとえば、セラーセントラル上で商品を1点ずつ登録し、数量を入力し、納品プランを作成し…といった複数のページを行き来する必要がある一連の流れを、プライスターでは1画面内でスムーズに完結できます。また、過去に登録した商品の呼び出しや数量調整も簡単にできるため、繰り返しの作業負担を軽減できます。
さらに、1つの納品プランにつき最大200SKUまで一括処理が可能で、200SKU以内であればセラーセントラルよりも格段に効率よく納品作業を進められるのもポイントです。もしエラーが発生しても、該当商品の削除や修正を行って再度プランを作成できるため、作業の手戻りを最小限に抑えられます。
FBAとプライスターを組み合わせることで、納品にかかる時間と手間を大幅に短縮し、Amazonビジネスの業務効率化を進められます。ぜひ一度お試しください。