「せどりに興味があるので、初心者が知っておくべきことを一通り分かっておきたいな」
「せどりには具体的にどんなメリットがあって、どういう流れで利益を得るのだろう?」
たとえばおすすめの副業などの話題になったとき、せどりという言葉は頻繁に登場します。人気の高いビジネスであり、まったくの初心者でも気軽に始められるといったメリットが語られがちです。
しかし実際のところどうなのか、詳しい説明を知りたい方も多いのではないでしょうか。
本記事では、初心者のためのせどり入門と題して、せどりのメリットやデメリット、具体的なやり方などを解説します。
最後まで読むことで、せどりの人気の秘密や、自分との相性が把握できるでしょう。
せどりとは?
せどりとは、商品を安く仕入れて高く販売し、差額を利益とするビジネスのことです。
かつては古書を安く買い取って高く売り、利ざやを稼ぐ仕事のことを指していました。価値があるにもかかわらず安値で売られている中古本を購入し、正しく価値を評価した金額で売るビジネスモデルです。しかし現代では、古書に限らずあらゆるジャンルの商品がせどりの対象として扱われます。
せどりと似たような言葉に「転売」があります。近年では、発売したばかりの商品を買い占めて高額で売ろうとする、いわゆる「転売ヤー」などが話題になっており、転売には悪いイメージがつきまといがちです。
せどりと転売は似た部分もありますが、せどりには「価値を見出されていない商品を掘り出し、適正価格で世に送り出す」役割もあります。ビジネスとして、より健全なものと考えられるでしょう。
参考:「せどり」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
せどりを始める5つのメリット
せどりを始めるメリットとしては、主に以下の5つが挙げられます。
- 特別なスキルや経験がなくても始められる
- 隙間時間などに都合よく作業できる
- 少額の資金で始められる
- 入金されるまでのサイクルが早い
- 正しく仕入れれば利益率が高い
総じていえるのは、気軽に始めやすいことでしょう。せどりは敷居の低いビジネスであり、それが副業などで高い人気を誇る理由の1つでもあります。
以下で詳しく解説します。
特別なスキルや経験がなくても始められる
せどりを始めるにあたって、特別なスキルや経験は必要ありません。始めるにあたってじっくり勉強をする時間がない方でも、せどりであればしっかりとしたスタートを切ることが可能です。
ほかの多くの仕事では、同じようにはいきません。たとえば同じく副業として人気の高いプログラマーなどは、HTMLやプログラミング言語などの知識が必要不可欠です。最低限の知識を身につけるだけでも、かなりの勉強時間を費やさなければならないでしょう。
しかしせどりを始めるための勉強は、たいしたものではありません。もちろんまったく何の知識も持たずに始められるわけではなく、概要などをある程度理解する必要はありますが、必要な資格もなければ読破するべき本もありません。
気軽に始められることは、せどりのメリットの1つといえるでしょう。
隙間時間などに都合よく作業できる
せどりは基本的に、時間に縛られることがないビジネスです。忙しい方が副業で行う場合にも、隙間時間を使って進められる点がメリットとして数えられます。
たとえば商品を仕入れる際には、利益の出る商品を調べる「リサーチ」というプロセスがあります。商品リサーチはパソコンだけでなく、スマートフォンを使って行うことも可能です。したがって、通勤中の電車の中でも問題なく進められます。
隙間時間を使って探し出した商品を、自宅で改めてパソコンで精査し仕入れて、既存のECサイトで販売する。一連のサイクルは外部の時間的制約にとらわれません。自分の好きなタイミングで作業ができます。
自分に都合のよい形で作業できるのが、せどりのよいところです。
少額の資金で始められる
せどりはいわゆる物販業や小売業に分類されるビジネスですが、始めるにあたってさほど多くの資金を必要としません。小資金で始められるのもメリットといえるでしょう。
たとえば同じ小売業でも、店舗を構えるとなれば土地やスタッフに多くの資金を費やす必要が出てきます。具体的な金額は業種によっても異なりますが、数百万円から場合によっては1,000万円を超える金額を用意しなければならないケースもあります。
しかし、せどりを始めるにあたっては、取り扱う商品のジャンルにもよりますが数万円あれば十分です。その資金で商品を仕入れて販売し、利益をまた仕入れに使うことで、徐々に手元に残るお金が増えていきます。
入金されるまでのサイクルが早い
ほかのさまざまなネットビジネスと比較すると、せどりは入金されるまでのサイクルが早いという特徴があります。仕入に資金を使っても、商品が販売されればそれ以上の金額となって戻ってくる。一連の間隔が短いという意味です。
たとえばアフィリエイトを考えてみると、ほとんどの場合において、売上が発生してから入金されるまでに2ヶ月程度かかります。一方で、たとえばAmazonを販売先に選んだせどりの場合、2週間ごとに口座に売上が振り込まれる仕組みになっています。
お金の回転が早いため、資金繰りが比較的簡単であることは、初心者にとってはつづけやすい理由となるでしょう。せどりのメリットの1つです。
正しく仕入れれば利益率が高い
正しく商品を仕入れることさえできれば、せどりは利益率の高いビジネスといえます。
たとえばワゴンセールで仕入れた1,000円程度の商品が、5,000円や6,000円といった高額で売れることも決して珍しくありません。プレミア商品を見つけた場合なども、高い利益率をマークできるでしょう。
仕入先を入念に探すことによって、掘り出し物が見つかる可能性は高まっていきます。
もちろん上記のような掘り出し物が見つかるケースばかりではありませんが、利益率30%程度であれば、安定的に維持することは不可能ではありません。初心者でも商品リサーチのスキルを磨きつづけることで、ハイペースで資金を増やしていくことが可能です。
せどりを始める2つのデメリット
せどりは初心者でも始めやすく成功しやすいビジネスですが、メリットばかりではありません。デメリットも存在します。代表的なものとしては、以下の2つが挙げられます。
- 在庫を抱えるリスクがある
- 梱包や発送に手間がかかる
本記事は初心者でもせどりで成功できる旨を主張するものですが、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解したうえで、参入するかを判断する必要があります。以下の解説をよく読んで、リスクについても把握しておきましょう。
在庫を抱えるリスクがある
せどりは入金されるまでのサイクルが早く、資金繰りがしやすいビジネスです。しかしそれは、仕入れた商品がきちんと売れていくことが前提となっています。
商品が思ったように売れなければ、売上が手元に入ることもありません。結果として資金繰りは厳しいものとなり、場合によってはショートしてしまうこともあり得るでしょう。
また在庫を抱えるということは、商品を保管しておくスペースもより必要になるということです。AmazonのFBA(フルフィルメント by Amazon)などを利用する場合にも、在庫の量や大きさに応じて保管料が発生するためコストとなります。
在庫を抱えるリスクがあることは、せどりにおけるデメリットといえます。
梱包や発送に手間がかかる
せどりビジネスは、商品に対して注文が入って終わりではありません。注文してくれたユーザーに対して、安全かつ迅速に商品を届ける義務があります。
商品をユーザーに届けるには、梱包と発送の2つをこなさなければいけません。配送中に商品が破損しないよう、梱包は丁寧に行う必要があります。また発送については、できる限りスピーディーであることを心がけることが大切です。
梱包や発送に不備があった場合には、ユーザーからクレームを受け、信用に傷が付くおそれがあります。販売先のECサイトでユーザーから低評価を受けた場合には、今後の商品の売れ行きにも悪影響が及ぶかもしれません。
梱包も発送も、想像以上のコストとなる場合があります。これはデメリットとして数えられるでしょう。
せどりにおける仕入の種類
せどりはまず、高く売れると見込まれる商品を仕入れることから始まります。仕入は「どういう手段で仕入れるか」によって以下の2種類に分類できます。
- 店舗せどり
- 電脳せどり
それぞれに異なる強みがあり、上手く組み合わせることで効率のよい仕入が実現可能です。以下で詳しく解説します。
店舗せどり
店舗せどりとは、実店舗に足を運んで商品を仕入れる方法を指します。実店舗とは、以下のような場所です。
- ホームセンター
- 家電量販店
- ドラッグストア
- リサイクルショップ
- ショッピングセンター
店舗せどりのメリットは、仕入れる商品を実際に手に取って確認できる点です。たとえば中古品を仕入れる場合、商品の状態を自分の目で確かめたほうが、より正確な情報をユーザーに伝えることができるでしょう。どこに傷があるか、しっかりと目的を果たせるかといったことを、店舗で確認できるため間違いが起こりにくいといえます。
デメリットとしては、店舗に足を運ぶために交通費や時間がかかることが挙げられます。とくに店舗が自宅や勤務先から離れた場所にある場合、利益計算をする際に交通費を考慮することは必須となるでしょう。
電脳せどり
電脳せどりとは、インターネット上の各種サイトから商品を仕入れる方法を指します。たとえば以下のようなサイトです。
- 実店舗のWebサイト
- フリマサイト
- オークションサイト
電脳せどりのメリットは、どこかに移動することなく自宅でいつでも簡単に商品を仕入れられることです。サイトを見比べることで価格の比較も簡単にでき、最安値のショップを短時間で見つけ出せます。
掘り出し物が見つかりそうな実店舗が自宅近くにない方や、本業で忙しく実店舗に足を運ぶ余裕がない方に向いた方法といえるでしょう。
デメリットとしては、自分の目と手で商品の状態を確認できないため、とくに中古品を取り扱う場合には上手く状態の説明がしにくいことなどが挙げられます。
せどりにおける販売の仕方
仕入れた商品は、いうまでもなくどこかで販売しなければ売上となりません。
現代のせどりにおいて、販売先はほとんどの場合、国内の大手ECサイトとなります。たとえば以下のようなところです。
どのECサイトを利用するのがベストであるかは、人それぞれの事情によって異なります。たとえばAmazonはFBAを利用できるため、商品の保管や梱包、発送をすべて任せたい場合に有力な選択肢となるでしょう。
一方で自分のショップを構築したいのであれば、楽天市場やYahoo!ショッピングがおすすめとなります。
初心者がせどりを始めるおおまかな流れ
初心者がせどりを始めるおおまかな流れは、以下のようなものです。
- 必要なものを準備する
- 商品をリサーチする
- 仕入を行う
- ECサイトなどに出品する
- 梱包および発送する
せどりの手法は確立されており、オリジナリティを追求する必要はとくにありません。上記の流れを忠実に再現すれば、高い確率で利益を出すことができるでしょう。以下で詳しく解説します。
必要なものを準備する
せどりはほかのビジネスと比べてすぐに始められるものですが、当然ながら何の準備も必要ないわけではありません。用意することがほぼ必須といえるものがいくつかあります。
具体的には以下のようなものです。
- パソコンやスマートフォン
- 銀行口座
- クレジットカード
- プリンター
- 梱包資材
- 販売先ECサイトのアカウント
パソコンやスマートフォン、プリンターについては、既に持っているのであれば別個に購入する必要はありません。
銀行口座とクレジットカードについては、せどりのために新しく用意することで、プライベートとせどりのお金の流れを分けて管理できるメリットがあります。このメリットは後々活きてくるので、始める前に用意しておくのは有効な選択肢です。
商品をリサーチする
準備が終わったら、商品のリサーチを始めます。リサーチとは、販売先ECサイトなどで売れ筋の商品を定め、その商品を安く仕入れられる場所を探す作業のことです。
商品リサーチの際のチェックポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 高い利益率を確保できるか
- 販売先ECサイトでのライバルは少ないか
- 中古品ならば状態を確かめられるか
総じていえるのは、効率よく稼ぐことを目指そうということです。できるだけ安く仕入れて高く売る。競争率の少ないところで勝負する。コストパフォーマンスのよい行動を取ることで、資金を増やせる可能性は高まっていきます。
仕入を行う
商品リサーチによって仕入れるべき商品を見つけたら、なるべく早く仕入を行います。
仕入は素早く行いましょう。なぜなら商品の売れ行きには波があり、乗り損ねると途端に売れなくなってしまうおそれがあるからです。
たとえば商品リサーチの時点ではライバルが少なく狙い目だったとします。しかしそのような商品は、せどりを行っているほかの人たちも注目しがちです。仕入れが遅れてしまうと、販売先のECサイトに自分の商品を出品する頃にはライバルが増えていた、といったことになりかねません。
仕入は可能な限りスピーディーに行うことを心がけましょう。
ECサイトなどに出品する
商品の仕入が完了したら、ECサイトやフリマサイトなどに出品します。
具体的にどこに出品するのがベストであるかは、人それぞれの事情や都合によって異なります。自分にとって最適な販売先がどこであるかをしっかり見極めて行動しましょう。
商品が売れるまで自分で保管するか、料金を支払って代行で保管してもらうかも、販売先選びのポイントとなります。
梱包および発送する
商品に対して注文が入ったら、丁寧に梱包し迅速に発送します。
梱包の際には、ダンボールなどの中に商品を入れ、新聞紙や緩衝材などをしっかりと詰めておきましょう。配送中に揺れることを考慮して、不必要に商品に衝撃が加わらないよう工夫する必要があります。
発送に必要な料金は段ボールのサイズや重さによって異なります。コストを抑えるには、なるべく小さめの箱で送るのがおすすめです。
梱包や発送といった作業を代行してもらえるサービスを利用すれば、手間は一切かかりません。しかしもちろん、規定の料金を支払う必要があります。
初心者がせどりで継続的に稼ぐ5つのコツ
せどりを始めるならば、できるだけ長続きさせたいものです。初心者がせどりで継続的に稼ぎつづけるコツとしては、以下の5つが挙げられます。
- 在庫管理しやすいジャンルを選ぶ
- 仕入先を確保しやすいジャンルを選ぶ
- 回転率がよい商品を選ぶ
- 各種セールを細かくチェックする
- 海外からの輸入も視野に入れる
これらをしっかり守ることで、長期にわたって利益を上げつづけられる可能性を高められます。以下の解説をよく読んで、あらかじめコツを会得しておきましょう。
在庫管理しやすいジャンルを選ぶ
仕入れた在庫は、基本的に売れるまで自分で管理をする必要があります。
たとえばサイズの大きな商品であれば、それだけ保管のためのスペースが必要になるでしょう。また商品によっては、専門知識を用いた手入れをしなければ品質を維持できない可能性があります。
自分のキャパシティでなんとかなるように在庫管理しやすいジャンルを選ぶことがコツとなります。
せどり初心者におすすめの在庫管理しやすいジャンルは、以下のようなものです。
- 書籍
- CDやDVD
- 小型の家電製品
- ゲームやおもちゃ
利益率が高く、サイズが小さいものを狙っていきましょう。
仕入先を確保しやすいジャンルを選ぶ
高く売れることが分かっている商品であっても、安く仕入れられなければ意味がありません。初心者がせどりで成功するコツとして、仕入先を確保しやすいジャンルを選ぶことが挙げられます。初心者のうちは仕入のノウハウが磨かれておらず、難易度の高いものは上手く仕入れられない恐れがあるからです。
たとえば自宅近くに家電量販店がある場合には、小型の家電製品やゲームソフトなどに狙いを定めるとよいでしょう。同様にブックオフなどがある場合には、書籍に狙いを定めるのが有効です。
回転率がよい商品を選ぶ
取り扱う商品を選ぶ際には、できるだけ回転率がよいものを選びましょう。
商品の回転率とは、期間内にどれくらいの頻度で購入されるかを表したものです。たとえば月に1度購入するものと年に1度購入するものでは、前者の方が回転率がよいことになります。
回転率がよい商品ほど売れる頻度も高いため、長期にわたって在庫を抱え込むリスクが低くなるでしょう。
仕入から販売までのサイクルをできるだけ早め、効率よく売上を伸ばすのがコツです。
各種セールを細かくチェックする
どのような仕入の方法を選んだにせよ、セールのたぐいは積極的に細かくチェックしましょう。まったく同じ商品であっても、セール期間を利用して仕入れられるかどうかで利益率に大きく違いが出るからです。
当然ながら、仕入価格が低いほど利益率は高くなります。効率よく資金を増やしていくためにも、普段からセールが行われていないかつぶさに調べ、仕入れのチャンスをうかがいましょう。
海外からの輸入も視野に入れる
仕入先は国内に限定されるわけではありません。海外から安く仕入れて国内のECサイトなどで販売する方法もあります。
代表的な手法として、中国輸入が挙げられます。中国のアリババやタオバオといったサイトから商品を安く仕入れ、日本国内に輸入して販売する手法です。
中国輸入を行う場合、輸入代行業者を介して中国の工場と交渉し、既存の商品に改良を加えたオリジナル商品を販売する方法もあります。
まとめ
せどりとはどのようなビジネスであるかについて、初心者向けに解説しました。
せどりは気軽に始めるのに適したビジネスです。本業として選んでもよいですが、とくに副業として高い人気を誇っていることに注目すべきでしょう。隙間時間で作業を進められるため、忙しい方でも利益を上げるチャンスは十分にあります。
本記事で解説した内容をしっかり頭に入れて始めれば、きちんと利益を残し資金を増やせる可能性は高いといえるでしょう。本気でせどりを始めてみたいとお考えの方は、ぜひ本記事の内容をもとにチャレンジしてみてください。