「Amazonに出品したいのだけど、具体的な手順が分からない」
「手数料や経費がどのくらいかかるのか分からない」
Amazonは誰でも始められるECプラットフォームです。個人・法人を問わず、出品者用のアカウントを作成すれば、自分の商品を販売できます。
ただし、実際の出品までには複数のステップがあり、それぞれの手順で適切な準備が必要です。また販売手数料の計算や、商品を効果的に売るためのポイントなども重要になってきます。
本記事では、Amazonに出品する手順を分かりやすく解説するとともに、費用や売り方、注意点などについても解説します。
まずはAmazon出品用アカウントを作ろう
Amazonでの出品を始めるには、買い物をするときに使う通常のアカウントとは異なる「出品用アカウント」を登録しなければいけません。出品用アカウントを設定する手順は、以下の通りとなります。
- 出品プラン(大口・小口)の選択
- 本人確認書類の提出
- アカウント審査
- 出品者プロフィール設定
- 支払い情報の登録
- 配送や返品に関する設定
- 必要な許認可情報の登録
一見すると手順が多く感じるかもしれませんが、各ステップで必要な準備は明確です。以下の解説を読んで、まずは概要から頭に入れていきましょう。
出品プラン(大口・小口)の選択
まずは出品プランと呼ばれるものを選ぶ必要があります。出品プランには以下の2種類があります。
- 大口出品
- 小口出品
大口出品は商品を数多く販売する方のためのプラン、小口出品は反対にそれほど多くの商品を販売しない方のためのプランです。具体的な違いは以下の通りです。
大口出品 | 小口出品 | |
月額利用料 | 4,900円 | 無料 |
基本成約料 | 無料 | 商品1点あたり100円 |
カート獲得の権利 | あり | なし |
出品制限のある商品の許可申請 | できる | できない |
単純に月額利用料と基本成約料だけ考えると、月に50点以上の商品が売れるなら大口出品プランの方がお得となります。よほど小規模にビジネスを展開するつもりがない限り、大口出品プランがおすすめです。
参考:料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金
本人確認書類の提出
出品プランを設定したら、本人確認のための書類を提出する段階に進みます。本人確認書類として用意すべきは以下の5点、法人の場合は6点です。
- 顔写真付きの身分証明書(運転免許証など)
- 180日以内に発行された銀行取引先の明細書
- 銀行口座の情報
- 日中連絡可能な電話番号
- 連絡可能なメールアドレス
- 法人の場合は登記簿謄本(法人番号・法人名の確認用)
身分証明書としてマイナンバーカードを使用できない点に注意してください。
参考:Amazon出品アカウントの本人確認手続き | Amazon出品サービスの販売方法
アカウント審査
本人確認書類を提出すると、内容に問題がないかの審査が始まります。審査は3営業日ほどで完了するとされており、それほど長い時間はかかりません。
もし書類に不備があった場合は、Amazonから修正や追加書類の提出を求められます。この場合、要求された修正に対応後、再度審査が行われます。なお、審査に通過すると登録したメールアドレスに通知が届き、次のステップに進めるようになります。
出品者プロフィール設定
審査に通過したら、出品者プロフィールの設定に進みます。これは特定商取引法で開示が義務付けられている重要な情報で、購入者からも確認できる内容となります。
項目 | 詳細 |
販売業者名 | ・個人の場合は本名や屋号 ・法人の場合は会社名 |
住所 | ・事業を行う事務所などの住所 |
運営責任者 | ・出品に関する業務の責任者 ・法人の場合は代表取締役でなくてもOK |
店舗名 | ・Amazonでの表示名称 ・既存ブランドや商標は使用不可 ・分かりやすく、誤認を与えない名称を設定 |
電話番号 | ・平日の日中に対応可能な電話番号 ・問い合わせ対応が可能な番号を設定 |
これらの情報は商取引の透明性を確保するために重要です。虚偽の情報を記載した場合、特定商取引法違反となり、罰則の対象となる可能性があります。また、後から情報を変更する場合は、改めてAmazonの確認が必要となります。
参考:特定商取引に関する法律
支払い情報の登録
Amazonの出品者になると、売上金の受け取りと必要経費の支払いが発生します。そのため、収入と支出の両方に対応できるよう、以下の支払い情報を設定する必要があります。
具体的には、以下のような情報を設定します。
項目 | 詳細 |
銀行口座 | 売上金を受け取るための銀行口座情報 |
クレジットカード情報 | 大口出品の月額利用料やFBA(フルフィルメント by Amazon)利用料、広告費などを支払うために登録 |
支払い方法の設定 | 通常はクレジットカード決済のみ。 |
新規出品したばかりの頃は代金引換を選択できないことに注意してください。
参考:フルフィルメント by Amazon(FBA) | [公式] Amazon出品サービスの配送方法
配送や返品に関する設定
商品の配送方法には、自己発送(商品を自身で発送)とFBA(Amazonの倉庫で保管・配送を委託)の2種類があります。配送方法に応じて、以下の設定が必要になります。
具体的には以下のような内容となります。
項目 | 詳細 |
返送先の住所 | 購入者から返品リクエストがあった場合に返送先住所 ※転送できない私書箱は不可 |
配送設定 | 自己発送:地域ごとの配送料や配送方法を設定 FBA:Amazonが自動で設定するため変更不要 |
お届け日時の設定 | 商品ごとの発送日数・到着予定日を設定 ※自己発送の場合は厳守が必要 |
なお、返品に関しては以下の設定が必要です。
- 返品受付期間(標準は30日)
- 返品時の送料負担(商品起因の場合は出品者負担)
- 返金条件や手続き方法
これらの設定は出品開始後も変更可能ですが、購入者の利便性を考慮した適切な設定を心がけましょう。
必要な許認可情報の登録
商品カテゴリーによっては、取り扱うために特別な許可を得なければならないものもあります。たとえば中古品や酒類などです。許可が必要な商品を取り扱う場合には、法律にしたがって許可証番号などを登録しなければいけません。
許認可情報の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 古物商許可証番号営業許可
- 医薬品販売業許可証番号
- 通信販売酒類小売業許可証番号
- 酒類小売業許可証番号
- 高度管理医療機器販売業許可証番号
これらの許可証は、商品出品前に取得し、セラーセントラルの許認可情報欄に登録する必要があります。なお、虚偽の許可証番号を登録した場合や、必要な許可を得ずに商品を販売した場合は、法律違反となる可能性があります。
Amazonで商品を出品する手順
出品者アカウントの設定がすべて終わったら、いよいよ商品の出品作業に入ります。
Amazonに自分の商品を出品する方法は、これから出品したい商品のページが既に存在するか否かで以下の2通りに分かれます。
- 新規出品
- 相乗り出品
両者の違いは、商品ページを自ら作成する必要があるかという点です。以下で詳しく解説します。
商品ページが存在しない場合は新規出品
オリジナル商品や新商品など、Amazonに商品ページが存在しない場合は、新規出品の手順で商品ページを作成します。新規出品では、商品情報の登録から商品画像の用意まで、すべて出品者が行う必要があります。
- セラーセントラルにログイン
- 「カタログ」項目から「商品登録」を選択
- 「Amazonで販売されていない商品を追加します」の項目をクリック
- 必要な商品情報を入力し、出品を完了
商品ページをいかに魅力的にするかは、売れ行きに大きく関わる要素です。新規出品する場合は、商品ページの作り込みにリソースを注ぎ込みましょう。
商品ページが存在する場合は相乗り出品
Amazon内を検索した結果、出品したい商品のページが見つかった場合には、その商品ページに相乗りの形で出品します。
- セラーセントラルで商品を検索
- 該当する商品ページを選択
- 以下の販売情報を設定
- 内容を確認し、出品を完了
Amazonはショップ単位ではなく商品単位が基本のECサイトです。同じ商品を複数の出品者が販売する場合、同一の商品ページに出品者たちが名を連ねることになります。
ユーザーから見れば、どの出品者から購入しても同じ商品が手に入るため、問題にされるのはほとんど価格のみです。したがって出品者が多かった場合には価格競争となりやすい傾向にあります。
ライバルが多く価格競争が激しい商品の場合は、類似する別商品での出品や、商品の独自性を出せる新規出品も検討しましょう。
Amazonへの出品で必要になる費用や手数料
Amazonでの出品には、商品の仕入れ費用以外にもさまざまな費用や手数料がかかります。適切な販売価格を設定し、利益を確保するためには、以下のような費用をすべて考慮する必要があります。
- プランごとに設定された基本料金
- 販売手数料
- カテゴリー成約料
- FBAを利用する場合はその手数料
これらの出費は、利益計算を正確に行ううえで必ず把握しなければならないものです。以下の解説を読んで、概要を頭に入れておきましょう。
プランにもとづいた基本料金
出品者アカウントを作成する際に、大口出品か小口出品のどちらかを選びます。大口出品は商品を数多く販売したい出品者向け、小口出品はより小規模なビジネスを展開したい出品者向けのプランです。
それぞれ基本料金は以下のように設定されています。
大口出品 | 小口出品 | |
月間登録料 | 4,900円 | 無料 |
基本成約料 | 無料 | 1回の販売ごとに100円 |
単純計算するなら、月の商品販売数が50個を超えるのであれば大口出品がお得です。
まずは小口出品から始めて、販売数の伸びに応じて大口出品への切り替えを検討するのも1つの方法です。ただし、カート獲得権利など売上に直結する機能を早期に活用したい場合は、最初から大口出品を選択することをおすすめします。
販売手数料
Amazonでは商品が売れるたびに、その商品の属するカテゴリーに応じた販売手数料を差し引かれます。この手数料は売上から自動的に差し引かれるため、事前に計算しておく必要があります。
以下は販売手数料の一例です。
カテゴリー | 販売手数料 | 最低販売手数料 |
本 | 15% | なし |
CD・レコード | 15% | なし |
パソコン・周辺機器 | 8% | 30円 |
楽器 | 8% | 30円 |
スポーツ&アウトドア | 10% | 30円 |
おもちゃ&ホビー | 10% | 30円 |
文房具・オフィス用品 | 15% | 30円 |
Amazonの販売手数料は決して安いとはいえず、利益計算に大きく関わってきます。事前のシミュレーションにしっかり含めておきましょう。
参考:料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金
カテゴリー成約料
特定カテゴリーの商品には、通常の販売手数料とは別個にカテゴリー成約料と呼ばれる料金が発生します。具体的には以下の4つのカテゴリーに当てはまります。
カテゴリー | カテゴリー成約料 |
本 | 80円 |
CD・レコード | 140円 |
DVD | 140円 |
ビデオ(VHS) | 140円 |
メディアに関する商品を販売する場合に発生する手数料であると考えておけばよいでしょう。
FBAを利用している場合はFBA手数料
Amazonの物流サービスであるFBAを利用している場合には、FBA手数料がかかります。FBAとは、Amazon独自の倉庫に商品を納品することで、梱包や発送、返品処理などを代行してくれるサービスのことです。
FBAを利用するのにかかる費用は、たとえば以下のようなものです。
- FBA手数料
- 在庫保管手数料
- 長期在庫保管手数料
- 返送や所有権の放棄依頼に関する手数料
- 購入者返品手数料
- 納品不備受領作業手数料
- 在庫保管超過手数料
FBAを活用することで、商品販売の手間を大幅に削減できます。しかし費用とのトレードオフであるため、常に具体的な利益計算をし、最適な手段を模索する必要があるでしょう。
参考:料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金
Amazonに出品した商品を売るための3つのポイント
出品した商品をユーザーに購入してもらうために考慮すべきポイントとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 商品ページのカートを獲得する
- ライバルの価格情報をチェックする
- 新規出品者向けの特典を活用する
上記はいずれも、きちんと押さえておくか否かで売上に大きな違いが生まれる要素です。以下の解説をしっかり読んでおきましょう。
商品ページのカートを獲得する
同一の商品ページに複数の出品者が名を連ねた場合、Amazonのアルゴリズムから見て最も優れた出品者の商品がカートを獲得できます。
ほとんどのユーザーはカートに表示されている商品をそのまま購入するため、カートを獲得できるかが売れ行きを決めるといっても過言ではありません。
カートを獲得する条件または評価基準としては、以下のようなものが挙げられます。
- 大口出品プランで販売している
- 最安値で販売している
- 出品者としての実績や評価がしっかりしている
- FBAを利用している
- 在庫数が潤沢である
とくに、大口出品プランでなければカートを獲得できない点には注意が必要です。
ライバルの価格情報をチェックする
Amazonで自分の商品を売るなら、ライバルと戦いつづける必要があります。Amazonにおいて競争の中心となるのは、販売価格。したがってライバルの価格情報は常にチェックしなければいけません。
たとえば同一の商品ページに自分も含めて複数の出品者がいる場合、ライバルが価格を下げることで、獲得できていたカートを奪われてしまうおそれがあります。商品ページに自分しかいなかったとしても、別の商品ページで類似品がより安く売られているのであれば、ユーザーはそちらに流れてしまうでしょう。
競争に負けないよう食らいつきつつ、同時に最低限の利益を確保できるラインを見極めて行動することが求められます。
新規出品者向けの特典を活用する
Amazonでは新規の出品者に向けて、さまざまな特典を提供しています。具体的には以下のようなものです。
- ブランド登録をした場合に、売上の一部がボーナスとして還元される
- 初めてFBAを使用した場合に、一定の在庫保管手数料などが無料になる
- 初めて広告を使用した場合、クーポンが付与される
特典をフル活用することで販売のための支出を抑えられ、確保したリソースを別のことに使えます。たとえばスポンサープロダクト広告を積極的に打つといった施策が考えられるでしょう。
参考:新規出品者特典プログラム
Amazonに出品する際の2つの注意点
Amazonに出品する際には、以下の2つの点に注意する必要があります。
- 出品が制限される可能性を把握しておく
- 出品禁止商品には手を出さない
いずれも規約や法律などで厳格に定められたものであり、違反した場合にはペナルティを課せられるおそれがあります。以下の解説をしっかり把握しておきましょう。
出品が制限される可能性を把握しておく
Amazonには、独自の契約によって出品制限されている商品がいくつか存在します。主に偽物や盗作の出品を防ぐために設けられたルールです。
注意すべき点として、制限される商品が出品者によって異なることが挙げられます。実績の少ない出品者ほど、制限対象の商品が多くなる傾向にあるため、とくにAmazonでの販売を始めたばかりの時期には気を付けましょう。
出品者としての実績を積み重ねることで信用のスコアが上がり、出品制限が徐々に解除されていきます。
出品禁止商品には手を出さない
Amazonには、そもそも出品が禁じられている商品が存在します。非合法の商品はもちろんのこと、商品に問題があってリコール対象となっているものなども対象です。
該当する商品を出品してしまうと、出品者としての資格剥奪という重いペナルティが課せられるため、十分な注意が必要となります。
出品しても問題ないか判断するのが難しい場合には、リスク回避のために出品を取りやめるか、あるいは法律の専門家に相談するなどの対策をしましょう。
まとめ:Amazonで成功したいならプライスターを利用しよう
Amazonに商品を出品することをテーマに、具体的なやり方やかかる費用、売るためのコツなどを解説しました。
Amazonは正当な手続きを踏めば誰でも商品を出品できるプラットフォームです。しかしそのぶん競争も激しく、成功するにはノウハウをきちんと理解し実践しなければいけません。消費者のニーズを読むことや、正確な利益計算をすることなど、基本をしっかり積み重ねることが重要となるでしょう。
Amazonでの成功率を高めたい方は、ぜひプライスターを導入してはいかがでしょうか。
プライスターはAmazonの大口出品者に向けて開発された便利ツールです。商品リサーチや出品の手続きを簡略化できるだけでなく、ライバルの動向を24時間チェックし価格の自動変更を行うといった人間には真似できない機能も備えています。
Amazonビジネスを成功させるためには、効率化が重要。ぜひプライスターを活用して、あなたのビジネスをより勝ちやすいものに進化させましょう。