「せどりも転売も似たようなビジネスに感じるけど、どんな違いがあるのかな?」
「最近は転売という言葉によい印象がないから、せどりとの関係が気になる」
せどりも転売も、稼げるビジネスとして成立しているものです。言葉としてはせどりのほうが古く、転売は比較的新しい言葉として扱われているでしょうか。最近では新発売の商品を買い占めて高く売る、いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる人々がニュースになることも多く、両者の違いが気になる方も多いと思われます。
本記事では、せどりと転売の違いについて解説するとともに、両者のメリットやデメリットについて言及します。またどのような場合に違法性を帯びるのかについても解説することで、合法的かつ健全にビジネスを進められる手助けをします。
せどりと転売はどう違う?
せどりも転売も、物販の形式の一種であり、安く仕入れて高く売ることで利益を得るビジネスである点には違いがありません。しかし現代ではニュアンスに違いが生まれています。
せどりという言葉はかつて、古書のやり取りについて使われていました。古本屋で高く売れるものを安く購入し、高い値段で販売する。これを生業とするものをせどりと呼んでいました。現代では古本だけでなく、何かしら掘り出し物を安く見付けて、より高い値段で売ること全般をせどり行為と呼んでいます。
参考:日本の古本屋 / 江戸から伝わる古書用語1セドリ(シリーズ古書の世界第4回)
一方の転売は、辞書的には「買い取ったものをさらに誰かに売り渡すこと」を指します。転売もやはり、扱うものの種類を問いません。買い取ったものを誰かに売り渡せば転売行為となります。
参考:てんばいとは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 – goo国語辞書
辞書的な意味だけに着目するのであれば、せどりも転売も同じものと考えられるかもしれません。しかし現代社会の言葉遣いで考えると、両者には以下のような違いが認められます。
せどり | 転売 | |
仕入価格 | 通常価格よりも安い場合が多い | 通常価格で仕入れる場合が多い |
取り扱う商品の性質 | 中古や在庫の多い新品など | 初回限定品など |
販売価格 | 手数料や適正な利益を上乗せして販売 | 可能な限り高額で販売 |
モラル面 | 埋もれた掘り出し物を世に送り出す意味で、消費者にとって役立つことも多い | 買い占めなど倫理的な問題が取り沙汰されることが多い |
総じていえるのは、近年では転売に悪いイメージがついていることです。いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる人々の影響で、転売には「売り手と買い手だけで完結しているところに割り込んで、商品を買い占めて値段を釣り上げる」ニュアンスがあります。
一方でせどりにはまだクリーンなイメージが残されています。せどりを行う場合には、イメージを崩さず、健全で人の役に立つ行動を取るべきでしょう。
せどりや転売で稼ぐ仕組み
せどりや転売と聞いて多くの人がイメージするのは、仕入と販売の2つの行為でしょう。実際そのイメージは間違っていません。せどりも転売も、いかにして仕入れるか、いかにして販売するかに成否がかかっているといっても過言ではありません。
では具体的に、どのような仕入れと販売を行って利益を上げるのでしょうか。
ここでは、せどりや転売で稼ぐ仕組みを以下の4つの項目に分けて、順番に解説します。
- 安く仕入れて高く売る
- 新品も中古品も取り扱う
- 主な仕入先
- 主な販売方法
以下の解説は重要な基礎であるため、理解は必須です。しっかり頭に入れておきましょう。
安く仕入れて高く売る
せどりも転売も、仕入と販売の2つによって成り立っています。ビジネスである以上、目的は手元にお金を残すこと。手元にお金を残すために心がけるべきは、以下の1つに絞られます。
「安く仕入れて高く売る」
せどりも転売も、上記の本質にまったく変わりはありません。後に高く売れると思われる商品を安く仕入れて、その金額よりも高い値段で販売し、差額を利益とする。どちらもシンプルな仕組みです。
高く売れる商品を安く仕入れる方法としては、以下の2種類があります。
- 仕入先が価値に気づいていない掘り出し物を安く仕入れて、より高く販売する
- 定価で仕入れた商品を、プレミア価格で販売する
どちらに関しても、商品の本当の価値を分かっていなければ利益の出る仕入を行うことは不可能です。商品に関する知識をしっかり身に付けることが重要となります。
新品も中古品も取り扱う
せどりも転売も、扱う商品が限定される行為ではありません。いかなる商品も、仕入値より高く売れるのであれば対象となり得ます。
したがって、新品か中古品かという違いも問題にはなりません。とくにせどりは、古本を扱うことから始まった歴史があるため中古品のみを扱うイメージがありますが、現代においてはあらゆる新品も当然のように取り扱います。
新品を仕入れても利益が出せないのではないかと思われがちですが、希少価値のある商品であれば後にプレミアが付きます。初回限定品が代表例でしょう。市場価格が上がったところで、プレミア価格で売り切ることによって、手元に利益を残す仕組みです。
ちなみに中古品を取り扱う際には、古物商許可を取得することが必須となります。古物商許可を取得していない状態で販売目的の購入をすることは違法となるため、十分注意してください。
参考:古物商許可申請 警視庁
主な仕入先
せどりや転売においては、仕入先に関して以下の2つの区分が存在します。
- 店舗せどり
- 電脳せどり
店舗せどりとは、実店舗に足を運んで掘り出し物を仕入れる方法です。実際の商品の状態を目で確かめられることや、安く売られていることが大勢の目に留まりにくい商品に出会える可能性が高いことなどがメリットとして挙げられます。
一方の電脳せどりとは、インターネットのECサイトやオークションサイトなどを利用して商品を仕入れる方法です。家から出ることなく商品を探せることや、一度に大量の仕入れができることなどがメリットとして挙げられます。
店舗せどりと電脳せどりのどちらがよいかは、一概にはいえません。双方に異なるメリットがあるため、自身の事情を考慮したうえでどちらをメインにするか決めるべきでしょう。
たとえば実店舗が自宅近くにある場合には、店舗せどりをおすすめします。逆に実店舗に足を運ぶのが難しい場合には、電脳せどりが中心となるでしょう。
主な販売方法
安く仕入れた商品を高く販売するにあたっては、どのような手段で販売するかが大きな意味を持ちます。
おすすめの販売方法は、大手のECサイトを利用することです。具体的にはAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが挙げられるでしょう。基本的に誰でも出品者としてアカウントを作成でき、比較的速やかに販売を開始できる仕組みになっています。
どのECサイトが最適であるかはそれぞれの事情によりますが、たとえば個人が副業としてせどりや転売を行うのであれば、Amazonがおすすめです。初期費用がほとんどかからず、またAmazon独自の倉庫であるFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用することで、自分で在庫管理をする必要もなくなるからです。
参考:フルフィルメント by Amazon(FBA) | [公式] Amazon出品サービスの配送方法
またAmazonで大口出品を選べば、後に解説する便利ツールである「プライスター」を導入できます。せどりとプライスターは相性がによいため、着実に利益を上げたいのであれば導入をおすすめします。
せどりや転売の4つのメリット
せどりも転売も、利益を生み出す仕組みがシンプルです。ほとんどの方が今すぐにでも始められるという点で、とくに副業などにはもってこいのビジネスといえるでしょう。
せどりや転売を行う具体的なメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。
- 収益を得るまでに時間がかからない
- リサーチをきちんとやれば不良在庫を抱えにくい
- 少ない資金で始められる
- 作業時間を好きなように決められる
いずれのメリットも、初心者でも掴みやすいものばかりです。以下の解説で一通り把握しておきましょう。
収益を得るまでに時間がかからない
せどりや転売の大きなメリットの1つとして、実際に収益を得るまでに時間がかからないことが挙げられます。適切な商品さえ選定できれば、仕入れてから売れるまでのサイクルが基本的に短いため、手元に利益が残る実感を比較的早く味わえます。
実際に稼げるまでの時間が短いことは、初心者にとってはモチベーションの維持に大きく役立つことでしょう。長く継続していくうえでも、成功体験を簡単に積み重ねることができ挫折しにくいのは重要なポイントです。
すぐに始められる点ではせどりや転売と変わらなくても、収益化までに時間のかかるビジネスはたくさんあります。アフィリエイトやYouTubeビジネスなどが代表例でしょうか。これらに比べると、せどりや転売はお金のサイクルが短く、分かりやすいビジネス形態であるといえます。
リサーチをきちんとやれば不良在庫を抱えにくい
せどりや転売をするにあたって、仕入れるべき商品を選定する作業をリサーチと呼びます。リサーチの具体的な内容は、以下のようなものです。
- 販売先のECサイトにおける売れ行き
- 平均的な販売価格
- ライバルの数
- 仕入値の低さ
リサーチをきちんと行い、ニーズのある商品を着実に仕入れることができれば、不良在庫を抱えるリスクは低いといえます。売上ランキングの上位に位置している商品を仕入れたにもかかわらず、なぜかそれが売れないということは基本的にはありません。売れている商品は、出品者が誰であれ売れるべくして売れていきます。
またせどりや転売におけるリサーチは、ECサイトなどの状況を確認することがメインであるため、手間がかからない点もメリットです。
少ない資金で始められる
せどりや転売は、基本的に少ない資金で始められるビジネスです。まとまった資金のない状態で何かビジネスを始めたいと考えている方にとって、元手がかからないことは大きなメリットといえるでしょう。
ほかのビジネスにおいては、場合によって数百万円の初期投資が必要となるケースも少なくありません。たとえば飲食店を開く場合などが代表例でしょう。大規模な初期投資を必要とするビジネスは、まず借金するところから始まるため、大きなリスクを抱えてのスタートとなります。
一方でせどりや転売は、数万円の資金でも十分に始められます。もちろん初期費用が少なければ最初のうちの利益も少なくなりますが、着実に利益を出しつづけることによって手元の資金を増やすことが可能です。資金が増えれば大規模な仕入もできるようになり、大きな利益を上げることに繋がるでしょう。
作業時間を好きなように決められる
せどりや転売は、基本的に作業時間を好きなように決められます。とくに電脳せどりをメインとする場合には、仕入すらも自宅でのサイト閲覧で完結するため、外部の時間的事情に一切縛られません。たとえば真夜中しか時間を確保できない方であっても、せどりや転売であれば問題なくつづけていけます。
とくに副業としてせどりや転売を行う場合には、時間の融通が利くことが大きなメリットとなるでしょう。朝から夜まで本業に従事していたとしても、帰宅後の時間を使って仕入作業を進めることが可能です。販売に関しては、そもそもECサイトが自動的に行っているものであるため、時間的制約をまったく受けません。
ただし店舗せどりを中心とする場合には、仕入先の営業時間を意識する必要があることに注意が必要です。
せどりや転売の3つのデメリット
せどりや転売には多くの魅力がありますが、必ずしもメリットばかりではありません。いくつかの点でデメリットが存在します。たとえば以下のようなものです。
- 収益を伸ばすには時間的金銭的コストがかかる
- 収益を安定させるのが難しい
- 世間的にネガティブなイメージがある
始めるにあたってはメリットだけでなく、あらかじめデメリットについてもきちんと把握しておくことが大切です。以下の解説を読んで、デメリットについての一通りの知識を頭に入れておきましょう。
収益を伸ばすには時間的金銭的コストがかかる
せどりや転売のメリットとして、実際に収益を得るまでの時間が短いことは既に解説しました。手元に利益が残る実感を得るまでのサイクルが短いことは、確かに魅力です。
しかし、せどりや転売での収益を伸ばしていくことを考えたときには、時間的にも金銭的にもコストがかかることがデメリットとして挙げられます。1つの商品を仕入れて販売することによる利益はどうしても小さいものとなり、量をこなさなければ大きな利益には繋がらないからです。
少ない資金でスタートしたとしても、収益を大きく伸ばしたいのであれば、将来的には資金を大きくして大規模な仕入と販売を行う必要があるでしょう。しかし大きな収益を得られるレベルまで成長するには、ある程度コストがかかります。このコストは受け入れなければいけません。
収益を安定させるのが難しい
せどりや転売は収益を上げやすいビジネスモデルですが、その収益を安定させるのは簡単ではありません。収益の不安定さは、デメリットとして数えられる要素です。
せどりや転売の収益が安定しないのは、売れる商品が常に変化するせいです。同じ商品が永遠に売れつづけることはないため、今売れ線の商品は何かを常に考えつづけなければいけません。トレンドや季節の影響を大きく受けるのがせどりや転売の宿命であり、受け入れたうえで対策を練る必要があります。
考慮すべき要素は多岐にわたります。たとえば2020年頃のコロナ禍の真っ最中とその後では、消費者の買い物の傾向も異なっています。
参考:「2023年コロナウイルス第5類移行後の購買行動調査」 | 株式会社ネオマーケティングのプレスリリース
広い視野に立って市場の流れを把握し、波に乗る形で変化をつづけなければ、収益を安定させるのは難しいでしょう。
世間的にネガティブなイメージがある
心理的なデメリットとしては、世間的にせどりや転売(とくに転売)に対してネガティブなイメージが蔓延していることが挙げられます。
せどりや転売がネガティブに扱われがちな理由としては、以下のようなものが考えられます。
- 実店舗のスペースに長時間居座っている
- 人気商品を買い占めて高額転売するため、正規の値段で商品が手に入らなくなる
- 違法スレスレの行為に手を出す
もちろん、せどりや転売を行うすべての方が上記のようなことをするわけではありません。しかしたとえ一部であっても、迷惑行為に手を染める人物がいる以上、ネガティブなイメージを否定するのは難しいといえるでしょう。
ネガティブなイメージはある程度受け入れたうえで、自分自身はクリーンに活動する意思を持てるか否かが鍵となります。
せどりや転売が違法となる6つのケース
せどりや転売は、どのようなものでも自由に仕入れて販売してよいわけではありません。いくつかの法律が制定されており、違反した場合は罪に問われるため注意が必要です。
違法となるケースとして代表的なのは、以下の6つです。
- チケットの転売
- 偽ブランド品の販売
- 酒類販売業免許なしでのお酒の販売
- 古物商許可なしでの中古品の販売
- 本人確認なしでの非対面の仕入れ
- 医薬品店舗販売業許可なしでの医薬品の販売
順番に見ていきましょう。
チケットの転売
チケットの転売は、令和元年に施行された「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」によって禁止されています。違反した場合には、1年以下の懲役、100万円以下の罰金またはその両方を課せられます。
参考:特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律
かつてはいわゆる「ダフ屋」と呼ばれるチケット転売を生業とする人々がいましたが、現在ではそれらはすべて違法です。チケットには手を出さないよう注意しましょう。
偽ブランド品の販売
偽ブランド品を取り扱うことも、法律に抵触します(詐欺罪)。偽ブランド品を高額で転売するケースが多く見られ、金額の多い被害が目立ったことから、厳しく取り締まる流れができています。
注意点としては、偽ブランド品であることに気づかないまま販売した場合も罪に問われる可能性があることが挙げられます。故意でなかったことを証明するのは困難だからです。
酒類販売業免許なしでのお酒の販売
酒類販売業免許を持っていないものがお酒を販売することは許可されていません。せどりや転売に限らず、あらゆるビジネスの形式において適用されます。
違反した場合の罰則は「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められています。
古物商許可なしでの中古品の販売
せどりや転売において中古品を扱うのはごく当たり前の行為ですが、この当たり前の行為も無許可ではできません。古物商許可を得る必要があります。
参考:古物商許可申請 警視庁
販売する形態は関係ありません。実店舗であれネットショップであれ、中古品を古物商許可なしで販売することは違法とされています。
ただし、これはビジネスとして中古品を販売する場合の話です。素人として家庭にある不用品をメルカリなどで販売するだけなら、古物商許可は必要ありません。
本人確認なしでの非対面の仕入
中古品を仕入れる際、直接会うことなくやり取りをする「非対面」の取引であるならば、本人確認が必須です。古物営業法で定められたもので、なりすましが発生することを防ぐ目的があります。
現代ではフリマサイトやネットオークションなどが活況であるため、非対面の取引は一般化しています。該当するサイトでは本人確認の手続きができるようになっているため、必ず済ませておきましょう。
違反した場合には、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」に処されることになります。
医薬品店舗販売業許可なしでの医薬品の販売
医薬品もお酒と同様に、許可なしでは販売できません。医薬品を販売するには、医薬品店舗販売業許可というものが必要になります。
許可なく医薬品を販売した場合には違法となり「3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその双方」が適用されます。
参考:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
まとめ:せどりや転売で本格的に稼ぐならAmazon&プライスター!
せどりと転売の違いについて(違いが存在しないことについて)解説するとともに、これらのビジネスのメリットやデメリット、仕組みなどについて具体的に解説しました。
せどりも転売も、古くからあるシンプルなビジネスです。できるだけ安く仕入れて、できるだけ高く売る。仕組みが分かりやすく、参入障壁の低いビジネスであるといえるでしょう。
もしあなたが本格的にせどりや転売に力を入れるつもりであれば、販売先にAmazonを選び、プライスターを導入することをおすすめします。
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せどりや転売で大きな利益を上げたいとお考えの方は、ぜひ検討してみてください。