「Amazonカスタマーレビューの星が少ないのだけど、どうやって対策すればいいの?」
「カスタマーレベル低評価がついたら、売上に影響はあるの?」
このような疑問を持っている出品者は少なくないでしょう。
Amazonのカスタマーレビューは、商品の購入を考えているユーザーが参考にする重要な情報源です。必然的にレビューの評価によって、商品の売上やブランドの信頼度が大きく左右されることがあります。ビジネスが軌道に乗るかを決める重要な指標の1つといえるでしょう。
本記事では、Amazonのカスタマーレビューにどのように対策すればよいのか、具体的な方法を解説します。基礎知識からレビューの増やし方、注意点や低評価レビューの対象まで分かりやすく説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
Amazonカスタマーレビューの基礎知識
Amazonのカスタマーレビューは、購入した商品についてユーザーが評価や感想を投稿する仕組みとして広く知られています。とはいえ、仕組みの詳細や背景を十分に理解している出品者は多くないかもしれません。
ポイントとしては、ユーザーが商品を購入する際にまず確認するのが「レビュー評価」と「レビュー件数」だということです。ほかのユーザーの使い勝手はどうか、品質や耐久性に問題はないかなどを知っておきたいという心理が働いています。
したがって、レビューが1件もない商品と平均評価が高くレビューが複数ある商品とでは、顧客が抱く印象は大きく異なります。
たとえばレビュー数がゼロのままでは未知数と受け取られてしまうため、購入をためらわれるケースが多くなるでしょう。一方でレビュー数が多くしかも評価が高い商品は信頼できると判断されやすいため、購入の後押しとなります。
Amazonカスタマーレビューは商品の良し悪しだけでなく、出品者の信頼度や対応の良さを把握する指標にもなるため、購入の意思決定に強く影響をおよぼしています。
参考:カスタマーレビューについて – Amazonカスタマーサービス
Amazonカスタマーレビューは全部で2種類
Amazonカスタマーレビューには、大きく分けて以下の2種類のレビューが存在します。
- 商品自体についてのレビュー
- ストア評価(出品者評価)
それぞれ役割と表示される場所が異なり、顧客が何を基準に商品や出品者を判断しているのかを把握する手がかりになっています。以下で詳細に解説します。
商品自体についてのレビュー
Amazonの商品レビューとは、購入者が具体的に「商品自体がどうだったのか」を評価し投稿する仕組みです。
Amazonでは各商品にASINという固有の番号が割り振られており、どの出品者が販売したとしても、商品ページに紐付いてレビューが蓄積されていきます。
なぜこのような仕組みが重要かというと、ユーザーは同じ商品を複数の出品者から比較検討できるため、商品自体の評価がどれくらい信用できるものなのかを総合的に把握しやすいメリットがあるからです。
あるユーザーが「色味が写真と違う」とコメントした場合、ほかのユーザーはそれを参考にして購入を検討することになるでしょう。
しかし購入していないユーザーもレビューを投稿できる仕様であるため、短期間に対応のレビューが集まったり不自然な高評価が続いたりすると、Amazon側がフィルタリングをかける場合があります。
正直な購入者からのレビューを積み重ねていくことが、長期的に見て信頼度を高める近道といえるでしょう。
ストア評価(出品者評価)
ストア評価は、購入者が商品を受け取ったあとに、出品者の対応や発送のスピードなどを総合的に評価するものです。商品レビューとは違い、商品ページの販売元リンクから移動した先で確認できるため、購入を検討するユーザーが出品者の信頼度を確認したいときに参考にされます。
Amazonでは同じ商品を複数の出品者が扱っているケースも多く、最終的にどの出品者から購入するかを決める際に、ストア評価が大きな判断材料となります。
たとえば丁寧な梱包で商品が届いた、トラブルが起きたときにすぐ適切な対応をしてもらえたなどのポジティブな評価が多ければ、その出品者を選ぶ安心感が生まれやすくなるでしょう。
一方で、発送が遅れたり対応が不誠実だと感じられたりした場合には、低評価に繋がり、出品者としての信頼度を損ねるリスクがあります。
参考:出品者の評価を投稿する – Amazonカスタマーサービス
Amazonカスタマーレビューがもたらす4つの影響
Amazonカスタマーレビューがもたらす影響としては、主に以下の4つが挙げられます。
- ユーザーに注目されやすくなる
- レビュー絞り込み検索でも優先的に表示されるようになる
- SEOによい影響を与える可能性がある
- 商品のフィードバックを得ることで品質向上に努められる
レビューを上手く活用することで、売上だけでなく顧客満足度も高める好循環が期待できるでしょう。以下で詳しく見ていきます。
ユーザーに注目されやすくなる
カスタマーレビューの評価が高いことは、ユーザーの目を引きやすくなる要因となります。評価が星5つに近いほど、ほかの人たちから指示されている商品と捉えられ、購入のハードルが下がるからです。
さらに評価が高いだけでなく、レビュー件数がある程度まとまっていると、多くの人が既に買って満足しているという安心感を与えます。
一方でレビュー件数が少ない商品は、低評価が1つ付いただけで平均値が急落するリスクを抱えています。たとえば、まだレビューが1件しかない商品に星2つや星3つの評価が投稿されてしまうと、実際に使った人の評価が悪いという印象を持たれてしまうリスクが高まります。
早期に複数の高評価レビューを確保することで、一定の低評価で商品全体の印象が崩れるリスクを最小限に抑えられるでしょう。
レビュー絞り込み検索でも優先的に表示されるようになる
Amazonでは、レビューの星の数を使った絞り込み検索を活用して商品を探すユーザーが多く存在します。星4つ以上や星3つ以上などの条件設定をすることで、自分に合った商品を見付けようとする行為です。
ここでポイントになるのは、まだレビューが1件もない商品は、星の数の条件検索にヒットせず表示されなくなってしまうことです。レビューがないか極端に少ない商品は、そもそもユーザーに見付けてもらう機会を逃してしまうリスクを抱えているといえるでしょう。
一方でレビュー数が増えて星の数も高い場合、検索結果で上位に表示される可能性が高まり、商品ページへの流入も自然と増えます。
たとえばライバルが多いカテゴリーで星4つ以上を条件に検索した場合、高評価の商品だけが絞り込まれます。そこに入れれば、購入される確率が一気に高まります。
レビューを数多く獲得し、平均評価をできるだけ高く維持することが、ユーザーに見付けてもらいやすくするための大きなポイントです。
SEOによい影響を与える可能性がある
SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略です。
Amazonは独自の検索アルゴリズムを採用しており、商品のタイトルやキーワードなどさまざまな要素が検索順位に影響を与えるといわれています。
レビューの数や評価の高さも重要な指標の1つとみなされています。購入者にとって評価の高い商品が上位に表示されることで、より満足度の高いショッピング体験を提供できるのは明らかであり、Amazonがそれを重視していると考えるのは妥当だからです。
たとえば同じ価格帯で同じジャンルの商品が複数ある場合には、レビュー数が豊富で評価が高い商品ほど検索結果の上位に表示されやすい傾向があります。レビュー対策を適切に行い、商品ページの信頼性を高めることが、Amazon内SEOの底上げに繋がるということです。
検索結果の上位に表示されれば、多くのユーザーの目に留まり、売上を伸ばす好循環が生まれやすくなります。SEOを意識してよいレビューを集めることは、Amazonビジネスを伸ばす上で重要なタスクであるといえるでしょう。
商品のフィードバックを得ることで品質向上に努められる
カスタマーレビューは単に評価の星の数を競うだけのものではありません。実際にユーザーが使ってみて感じた長所や短所、改善して欲しい点などを直接知るための貴重な手段でもあります。
購入したユーザーは、リアルな体験をレビューとして書き込むため、開発者や販売者の視点では気づけない細かな問題点を示唆してくれるのです。
たとえば「説明書が分かりにくかった」という意見があれば、マニュアルを改訂するきっかけになります。「サイズが思ったより小さい」という声が多ければ、商品ページのサイズ表記や写真の撮り方を工夫する必要性が浮き彫りになります。
ユーザーの意見を真摯に受け止め、商品改良に反映させることで品質向上に繋げることができ、自然と高評価のレビューが集まりやすくなるでしょう。
Amazonのカスタマーレビューを増やす5つの方法
Amazonでのビジネスを成功させるには、商品に対する高評価レビューを安定的に増やす施策が欠かせません。具体的な方法としては、以下の5つが挙げられます。
- レビューリクエストの機能を利用する
- Amazon Vine先取りプログラムを利用する
- 購入者に向けてレビューを依頼するメールを送る
- 商品にサンキューカードなどを同梱しレビューを依頼する
- タイムセールやクーポンを利用してレビューの獲得率を上げる
Amazonが公式に認めた仕組みや、効果的なキャンペーンを活用することがポイントになります。順番に見ていきましょう。
参考:Amazonのカスタマーレビューとは?増やすメリットや削除依頼の方法
レビューリクエストの機能を利用する
2019年にAmazonセラーセントラルに追加された「レビューリクエスト」機能は、購入者に手軽にレビュー依頼を送れる便利な方法です。出品者はワンクリックで過去の購入者へレビューを依頼でき、しかも依頼文はAmazonが自動生成するためポリシーに抵触するおそれも少なく、公平性を保ちやすいメリットがあります。
セラーセントラルの「注文管理」に進み、注文の詳細画面の右上にある「レビューリクエスト」ボタンを押せば、購入者に公式の依頼メールが送られます。出品者が自ら依頼文を考える必要はありません。
レビューリクエストの機能は、レビュー依頼をスムーズに行いつつAmazonの契約をしっかり守れる手段といえるでしょう。
Amazon Vine先取りプログラムを利用する
Amazonが提供する「Amazon Vine先取りプログラム」は、新商品やレビュー数が十分でない商品を、Amazonが厳選したレビュアーに使ってもらいレビューを書いてもらう仕組みです。
たとえばレビュー数が30件未満のブランド登録商品などが対象で、1つのASINにつき最大30件までレビューをリクエストできるとされています。
Amazon Vineが有効な理由は、信頼性の高いレビュアーから詳細かつ率直なフィードバックを得られる点にあります。実際に使用した感想や競合商品との比較など、購入者が知りたい情報が具体的に得られるため、あとから商品ページを閲覧するユーザーにとっても参考になるレビューに育ちやすい点が特徴です。
一方で、一度Amazon Vineを利用してレビューを獲得した商品は、その後同プログラムの対象から外れるというルールがあるため、実施のタイミングや対象商品の選定は慎重に行う必要があるでしょう。
参考:Amazon Vine
購入者に向けてレビューを依頼するメールを送る
セラーセントラルの機能を使い、購入者に直接メールを送信してレビューを依頼する方法もあります。具体的には「注文管理」で対象の購入者を選択し「その他」からメール送信を行うという流れです。
注意点としては、自分でメールの文面を作るため、Amazonの規約に反しないよう注意しなければならないことが挙げられます。たとえば「高評価をお願いします」や「クーポンをあげるので星5つをください」などの文言を含めるのは厳禁です。
違反行為が発覚すると、アカウント停止などの重大なペナルティに繋がるおそれがあるため、気を付けましょう。
最近では「レビューリクエスト」が登場したことで、あえて独自メールを送ることのメリットは小さくなっています。また、複数回メールを送ると購入者に不快感を与えるおそれもあるため、レビューをリクエストする方法はどれか1つに絞るのが無難でしょう。
それでも自分の言葉でレビューを依頼したいと考える場合には、依頼メールを送るのは有効です。
商品にサンキューカードなどを同梱しレビューを依頼する
サンキューカードやチラシを商品に同梱し、そこにレビュー投稿用のURLやQRコードを記載して、購入者がスムーズにレビューを書ける導線を整えるのも効果的です。
この方法のポイントは、ユーザーに直接呼びかける形で感謝の気持ちを伝えると同時に「ぜひ商品を使った感想をお聞かせください」というスタンスで自然にレビューをお願いできる点にあります。
ただしAmazonのポリシーにおいては、外部サイトへの誘導は禁止されており、さらに金銭やクーポンなどの報酬を付与してのレビュー依頼も禁止されています。したがって、あくまでも「購入してくれてありがとうございます。もしよければAmazonのレビューにご協力ください」というスタンスを崩さないことが重要です。
タイムセールやクーポンを利用してレビューの獲得率を上げる
レビュー数を増やすには、そもそも商品が売れなければ始まりません。そこでタイムセールやクーポンの発行などをより活用し、通常よりもお得感を演出して一気に購入者を増やすのも有効な方法です。
ポイントは、一定期間だけ価格を下げたり限定のクーポンコードを発行したりして、普段は購入を迷っているユーザーの背中を押す仕掛けを作ることです。価格面に魅力を感じて購入に踏み切ってくれたユーザーが、その後レビューを投稿してくれることが期待できます。
もちろん、ただ安売りするだけでは意味がありませんが、レビュー獲得の間口を広げるという点ではおおいに役立つ戦略といえるでしょう。
Amazonカスタマーレビュー対策における4つの注意点
カスタマーレビューを増やし、商品ページを魅力的に見せることは重要ですが、やり方を間違えると重大なペナルティを受けるリスクがあります。代表的な禁止行為としては、以下の4つが挙げられます。
- サクラレビューに手を出さない
- カスタマーレビューに報酬を発生させない
- 外部サイトへの誘導をしない
- レビューの修正や削除を要求しない
Amazonのポリシーを厳守することは、すべてに優先します。以下の解説をよく読んで、違反行為には決して手を出さないよう注意しましょう。
参考:販促となる投稿について(Amazonカスタマーサービス)
サクラレビューに手を出さない
サクラレビューとは、購入者に実際の使用感と異なる高評価レビューを依頼したり、実際には商品を購入していない人に虚偽のレビューを書いてもらったりすることです。
いずれもAmazonの利用規約に明確に反しており、もし発覚した場合にはアカウント停止のみならず、今後Amazonでビジネスをつづけられなくなるおそれさえあります。
サクラレビューが厳しく取り締まられるのは、レビューの信頼性は消費者の購買行動を左右する根幹の要素だからです。不正なレビューが蔓延するとAmazon全体の価値が損なわれてしまいます。
たとえば、サクラレビューによって実際以上に高評価が集まった商品を購入したユーザーは、当然ながら不満を抱くでしょう。その不満が口コミサイトやSNSなどで拡散されれば、商品や出品者だけでなくAmazonというプラットフォーム全体への信頼も下がりかねません。Amazonが神経質になるのはこのような理由からです。
サクラレビューには長期的なメリットはありません。決して手を出さないようにしましょう。
カスタマーレビューに報酬を発生させない
カスタマーレビューを依頼するにあたって、金銭やクーポン、プレゼントなどの報酬を提示して高評価を誘導する行為も禁止されています。レビューはあくまでも購入者が自発的に商品やサービスを評価するものと定義されているからです。
もし報酬を条件にレビューを書いてもらっている事実が発覚した場合、レビュアーの公正さが著しく損なわれるだけでなく、レビューの信頼性そのものが揺らいでしまいます。
具体例として、SNSやコミュニティサイトなどを経由して「商品を無償提供する代わりに星5つのレビューをお願いします」といった誘導を行うケースがあります。これは規約違反に直結するため、絶対に避けましょう。
外部サイトへの誘導をしない
Amazonの規約では、外部サイトへの誘導行為は厳しく禁止されています。自社ECサイトやほかのプラットフォームに誘導し、そちらでレビューを書かせるといった行為も含まれます。
なぜこれが問題になるかというと、Amazonとしては、顧客がAmazonのサイト内で安全にショッピング体験を完結できるようにしたいという狙いがあるからです。
たとえば同梱チラシやサンキューカードに「より詳しい情報は当社の公式サイトをご覧ください」といった文言とともにURLを貼る行為も、状況によっては規約違反とみなされかねません。
違反行為が判明した場合、アカウント停止などの重い罰則が課されるリスクがあるため、Amazon内で完結する形でレビューを促すよう徹底する必要があるでしょう。
レビューの修正や削除を要求しない
Amazonでは、投稿されたレビューは基本的に削除できませんし、出品者側から直接修正を要求することも禁じられています。購入者が感じたままに書いたレビューを尊重するのがAmazonの方針であり、それによってレビューの信頼性が保たれているからです。
たとえば低評価レビューが投稿されたからといって、購入者に「削除してほしい」と依頼する行為は重大なポリシー違反にあたります。もし低評価の理由が明らかに不当であれば、セラーセントラルのヘルプなどからAmazonへ報告を行い、運営側の判断で削除されるかどうかを確認するのが正しい手順です。
都合のよいレビューだけを残して残りは削除する、といった戦略は採用できないと覚えておきましょう。
低評価レビューは削除できることもある
低評価であるというだけでレビューを削除することはできませんが、場合によっては削除が可能なケースも存在します。たとえば以下のような場合です。
- レビュー内容に公序良俗に反する表現が含まれている
- 個人情報が晒されている
- 商品の内容とはまったく関係のない誹謗中傷が書かれている
上記に該当する場合には、Amazonに申請を行うことで削除が認められる可能性があります。
また、Amazonが配送を担当した注文で配達遅延を原因とする低評価は、出品者の責任ではないという判断で削除対象になる可能性があります。
正当な低評価レビューを削除することはできません。しかし不当なレビューや規約違反とみなされる内容が含まれているレビューについては、速やかにセラーセントラル経由でAmazonに報告するのが賢明です。
まとめ
Amazonのカスタマーレビュー対策は、ただ星の数を増やすことに注力するのではなく、正しい手順でレビューを獲得し顧客満足度の向上に結び付けることが重要となります。レビューは単なる評価指標にとどまらず、ユーザーからの直接的な意見を吸い上げ、商品改善やサービス向上の糸口を見付け出すツールでもあるからです。
たとえば商品自体の特徴を分かりやすく説明することで低評価を未然に防げる場合もあれば、丁寧なカスタマーサポートによりストア評価の改善に繋げられるケースもあります。
Amazonのポリシーに基づいた適切な手段でレビューを獲得し、ビジネスの拡大を目指していきましょう。
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